地域マスター工務店登録運動 Webコラム

住宅道具・考27
床を掘る その7 これまで、これから
山口 昌伴

下を向いて歩く旅
 行住坐臥(ぎょうじゅうざが)―行くこと、とどまること、坐(ざ)し、臥(が)すること、日常ふだんの行動のすべてをいう四字熟語。
 板の間や畳の間など坐臥する高床も床(ゆか)なら地べたを叩き均(なら)した「たたき」(土間)も人工の床。土間が床なら道も広場も床。だから行住坐臥―居ても立っても床の上。
 床はくらしの具(そなえ)のうち、もっとも重要な、おおきな道具、いや広~い道具、長~い道具。
 とういうわけで床に目をおとしたら、床から目が離せなくなって、この連載は下を向いて床のありようを見すえる「うつむき加減の旅」を続けることに。

床を掘る床をとことん考察したい
 その、床のいろいろを見て面白がる「 うつむき加減の旅」がふと、「床を掘る」というハナシにとりついた。
 とある鍛冶屋が穴を掘ってその底に立ち、土間面を机上面にして仕事を「土間机」の上に広げているのを「妙案」と面白がった(第21回・床を掘る-その1:蛸壷鍛冶)のがきっかけで、その2・掘囲炉裏、その3・踏込炉、その4・掘炬燵と続いて、前回は板の間の蓋(揚げ板)を揚げて床下を覗いた。―で、床を掘るハナシはもうおしまいにしようかと思ったら、とんでもない、まだ日本の住居の原型だった竪穴住居の話も出てないし、中国北方の地平面下住居・窟洞(ヤオトン)も、スペインの山麓横穴住居も出てない。
 戦争ともなれば日本では防空壕ぐらしがあったし、ベトナム戦争ではベトコンの地下陣地をとりあげないわけにはいかない。掘炬燵ならぬ掘ベッド、床下収納ならぬ掘冷蔵庫、掘漬物部屋、掘ミシン―ともかくてぇへん(たいへん)だなぁこれは。
 でも、床を掘る土竜(もぐら)の世界はなるべく早く片づけて「空中の床」の話に移りたい、とは思っている。とりあえず「床を掘る床」の世界をクリアーするのでおつきあい願いたい。次回はエチオピアで床を掘る予定。


道具学会 
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by ju-takukoubou | 2009-04-10 10:09 | 住宅道具・考 
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