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『自主独立農民という仕事』という本
小池 一三 ■ Ichizo Koike いい本との出会い 「しのざきゆうこ」という人は知らないけれど、この本の表紙でいっぺんに好きになりました。タイトルの字体もよく、装丁も良くて、もちろん森まゆみさんの文章もいい本です。 この本は、島根県木次乳業と、そこを仕事場にした佐藤忠吉さんのことが書かれています。佐藤さんの語録というか、喋りを、森まゆみさんは上手に拾っていて、地産地消とは何なのか、その本質が見事に語られています。 「牛を飼って乳をとり、それを加工して付加価値をつけ消費者に届ける。素材の生産だけだったら、われわれは都市の奴隷にすぎない」 「東京で米や野菜はとれるのか、魚や肉はとれるのか」 「地域を活性化せよとかけ声がかかるが、私はむしろ地域は沈静化すべきものと考えとります」 自主独立農民である、ということ 自主独立農民の生の深さは、これらの言葉だけでなく、行動にこそ示されていて、森まゆみさんは、いろいろなエピソードを綴っています。 これからの日本を考えると、農業にせよ、林業にせよ、ものをつくる人が元気でなければダメです。ロクでもない大臣が2人も続いている農林省だけど、中国の食品汚染を回避するには、日本の生産者にがんばってもらうほかなく、こういう気概を持った爺さんがいることを、もっと大切にすべきと思いました。 工務店のあり方を考える上でも、読んでもらいたい一冊です。 発行はバジリコ株式会社。本体1,500円。 (有)小池創作所 小池一三の週一回
by ju-takukoubou
| 2009-04-09 14:03
| NARB of JAPAN
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