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山から木が出てこない
このところ、構造材用の国産材が値上がりしているようです。外材の価格が上がっているのに便乗? あるいはどこかで買い占めが進んでいる? などの憶測も飛びそうですが、どうやら原因は山元から木が出てこないということらしいです。 国産材の価格が下がりに下がり、外材と匹敵できるまでにはなったと思ったら、山が木を伐らなくなった―どうやら山側の我慢の限界を超えたということでしょうか。 「例えば3,000本の杉を植えて間伐した結果、1,500本になったとして、40年育てた結果が1本1,000円では150万円にしかならない。また、苗木を買って植えるのに200万円はかかるから、これでは完全な赤字。伐るよりは太るに任せた方がいい」と考える山持ちが増えているのだそうです。 山で木を育てられるように、木材を高めに買って還元しようという「近くの山の木で家をつくる」運動の提唱もありますが、なかなか広がっていないのが残念です。 山の危機が伝わるか それならば、ということでしょうか。ハウスメーカーに大量に国産材を供給しようという「新生産システム」プロジェクトが進行中です。高く買うことなど望まないであろうハウスメーカーの要望にどこまで応えられえるのか、そもそも山に還元することなどできるのでしょうか。 もう1つ、ハウスメーカー側の主張は、性能や品質が一定の国産材が、必要な時に必要な量だけ供給されるのなら使ってもいい、ということでしょうが、生き物である木をどこまで工業化部材として扱えるのでしょうか。ムクの木には乾燥によって割れたり反ったりするという性質があることも受け入れて、いかに木を生かすかを考えた結果、木造の伝統的な構法を再評価する契機につながってきたことを考え合わせると、大きな隔たりがあるように思います。 木材業界では、山に還元するために環境税の創設を求める声が上っていますが、そろそろ実現する時期に来ているのかもしれません。 山側の危機感がもっと川下にも伝わるような、地域レベルのネットワークが広がることにも期待したいと思います。 宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa 日本住宅新聞
by ju-takukoubou
| 2009-04-08 17:12
| 工務店業界サーチ
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