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カテゴリ:工務店業界サーチ( 9 )
4号特例廃止というハードルを越えていくために
話題を呼んだ「伝統木造住宅共通仕様書」
 2ヵ月ほど前に伝統木造住宅の共通仕様書を作ったという記事を載せたら、意外に関心が高く、ぜひ欲しいという問い合わせをもらいました。作成した伝統軸組建築推進会にも電話が相次いだそうで、会員向けの非売品だからと断ったにもかかわらず、粘りに粘って分けてもらった人もいたようです。
 同仕様書は、今回の改正建築基準法に対応するものではありませんが、タイムリーであったため関心を引いたものと思われます。なかなか大変な作業であったでしょうが、その心意気に敬意を表したいと思います。
 6月20日からの確認審査の強化で、伝統構法を守っている人たちにはより厳しい制限が課せられ、このままではみんなやる気をなくしてしまうのではないかと心配していますが、来年12月に施工される「4号特例の廃止」にいかに対応していくかがさらに大きなハードルとなりそうです。

JAS認定材というハードル問題
 2階建て以下の木造住宅でも構造詳細図の提出を求められ、使用する部材の種類や性能、木材であれば、樹種や等級、含水率等も明示しなければならなくなるようで、(財)日本住宅・木材技術センターが作成した特記仕様書にはJAS認定品であることが明記されています。
 今回の改正ではJASを義務付けてはいないので、今までどおりの製材が使えるとのことですが、同等以上の性能であることを証明しなければならないとすれば、JAS認定材が中心になることが予想されます。
 製材JASの普及率が20%程度という現状では来年12月には間に合わず、またまた混乱が予想されるので、今から備える必要があるでしょう。要は現行の建て方でどこまで認めさせるか。認めさせる相手は、各地の確認検査機関です。地域の木で建てる家が一定の性能を満たしていることを建築主事等が確認できるようにすればいいわけです。それには共通仕様化も必要になるかもしれませんし、場合によっては性能試験をやらなければならないかもしれません。
 それを、地域の工務店が力を合わせて克服できないだろうか。この1年をそんなチャンスと捉えたいと思います。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 10:24 | 工務店業界サーチ
基準法改正とドタバタ劇の要因
建主へもしわ寄せが
 建築確認の厳格化を決めた改正建築基準法が施行されて以来、工務店の間には大きな不満が渦巻いています。特に、確認後の計画変更については再申請が求められるとあって、「これでは建主がかわいそうだ」「工務店にとって死活問題だ」などの声があがっています。
 メディアとしてはこれを反映すべきなのでしょうが、性善説から性悪説に切り替えた国の方は、この点については頑ななようです。
 もう一つ、提出すべき書類が大幅に増えて、費用負担も問題になりそうです。例えば、木造3階建ての場合、従来の3倍近い分量になり、費用も100万円近くになるのではないかと言われています。
 なぜ、たくさんの書類が必要なのか。技術や工法、材料等が多様になったことも一因ですが、建築主事の専門的な知識が乏しくなったことが指摘されています。専門職は育てずに民間の力で、というのは国の方針ですが、そのしわ寄せがこんなところに出ているわけです。

民間に依拠する方法もあるはず
 それならいっそのこと、もっと民間に依拠したらどうでしょうか。というのは、武蔵工業大学の岩村教授によると、ドイツのある州では、最終責任を設計者に負わせることになっているため、申請図書はほとんどノーチェックで通っているとのこと。
 実はこの方式は我が国でも検討されていたようですが、立ち消えになっています。
 現状では時期尚早ということなのでしょうが、工務店に保険加入を義務付けるのであれば、併せて検討されてもいいのではないでしょうか。
 設計者も保険に加入することで、設計者の責務と役割が正当に評価されることになれば、施工できない設計図を描いたり、木造住宅の見積もりもできないというようなことも改善されるのではないでしょうか。
 それには、3級建築士と目されている木造建築士の地位向上も必要ですが、設計者としての地位を確立するためにも、検討に値すると思われるのですが。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 10:21 | 工務店業界サーチ
消費者保護という錦の御旗
この法改正に異議あり
 「建築士がいなくても、確認検査などなくても住宅は建つ、というのが私の持論です」と、国交省のあるお役人が言っていました。それならばなぜ、という思いは残りますが、「とにかく消費者保護なのだから」という錦の御旗に押し切られた形なのが、今回の建築基準法、建築士法等の改正と、瑕疵担保確保法の創設です。
 ほんの一握りの悪質な業者のために、大多数のまじめな工務店にも影響を及ぼすような法改正が行われる―法律というものはそういうものだと言われればそれまでですが、納得できないという工務店も多いでしょう。
 確認審査の厳格化などを盛り込んだ改正法が施行される直前、県の機関が行った説明会に参加した工務店がこんなことを言っていました。
 「お客様は設計には素人なのだから、途中で設計変更が生じるのは当たり前。それが再申請することで20万円以上かかっても、お客様はぎりぎりの予算でやっているのだから払ってはくれない。工務店にとって今回の法改正は死活問題で、まじめにやっている工務店の意欲をそぐものだ」と。

聞こえてこない工務店の声
 そんな声は、まだ一部でくすぶっているだけで大きな声とはなっていないようですが、耳を傾けるべきであるし、それを代弁できるだけの力がないことに忸怩たる思いもあります。
 法令順守は当然のこととして、法律を整備すればすむというわけではありません。まじめな業者がやる気を失うことのないよう、良い業者を育てる働きかけも必要です。
 工務店側も、主張すべきことをもっと声を大にして言えるようになるといいのですが。
 この10年の間に、都市部の工務店は新築がめっきり減り、多くが下請けになっている状態。将来の棟梁を目指す若者も大幅に減っています。工務店の力を結集しようという試みが現在進行中ですが、これが最後のチャンスということになってしまうのかもしれません。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 10:15 | 工務店業界サーチ
通し柱が危ない?
セールストークに負ける
 もう10年も前から指摘されていたことなので、今さら、と思う方も多いかと思いますが、通し柱の欠損問題について、あるプレカット企業に聞いてみました。
 2階までの通し柱は、三方または四方から材を受ける場合に欠損部分が大きくなるため、4寸角を用いても地震の際には折れてしまうことが実験でも確かめられています。
 壁が倒れるわけではないから、あるいは習慣で当たり前のように通し柱を用いているのでしょうか。そのプレカット企業によると、通し柱の供給は全体の8割を占めているとのこと。ちょっとビックリする数字で、かなり心配しています。
 心配の理由は、ハウスメーカーのセールストークに「工務店が建てる家は、通し柱が危ない」というのがあるからです。
 相見積もりの最終段階で構造的不安を訴えてひっくり返す、という事例は意外に多いのかもしれません。信頼の厚い工務店であればきちんと説明できるでしょうが、「工務店の住宅は……」とやられるのは辛いところです。

工務店グループの発足が続く
 地域の中で信頼を築いている工務店は多いわけですが、『工務店』というひと括りで扱われることについては、工務店業界はまだ無防備と言えます。その弱い部分をついて、体質強化のためのフランチャイズグループや団体等が存在する余地があるわけですが、またここにきてグループ化の動きが活発になってきた感じがします。
 一昨年、規模の大きな工務店を中心に結成した「地球の会」や、今年からスタートした全建連のサポートセンターは、理念を掲げて集まろうというものですが、新しい技術や商品等の普及を目的としたグループ発足の動きも相変わらず続いています。
 先日は、ミサワホームの創業者である三沢千代治が「もうハウスメーカーの時代は終わった」として「200年住宅」を推進するために工務店のグループ化に着手したと聞いたときには、工務店業界もナメられていると感じました。
 また、エクスナレッジ等が呼びかけた「あたりまえの家」グループ、『住まいを予防化学する本』をツールに、貸し本方式という奇抜な手法を考えている「町の工務店ネットワーク」等、新たな動きも出てきました。
 工務店業界の再構築につながればいいな、と思いつつ、地域という点で「工務店」全体と結びつく関係も大切だと感じています。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 10:13 | 工務店業界サーチ
職人を圧迫するローコストビルダー
低価格住宅の理由が職人いじめでは
 先日、インターネットで検索していたら、「埼玉県では埼玉県民共済とタマホームのバトルが勃発」という書き込みがありました。
 タマホームはどこでも殴り込みをかけていますが、迎え撃つのが県民共済とはこれいかに。実はずっと以前から、埼玉県民共済は在来木造住宅を極めて低価格で供給することで、地元の工務店を圧迫してきました。最近も知り合いの工務店と県民共済で相見積りをした人がいましたが、実に数百万円もの差が出たとのこと。
 安くなる理由の1つは、大工の単価が低いことで、腕の良い大工なら棟数で稼ぐのでしょうが、クレーム処理も義務付けられて、儲かるどころではありません。職人を大切にしている工務店の単価と比べると、その差は明らかです。

大工減少問題は深刻
 神奈川県建設労働組合連合会が大工の賃金を調べたところ、首都圏のいわゆるパワービルダーでも同じような状況であることがわかりました。ある大工さんからは、「バブルの頃に比べ3分の1に減って、人に言うのも恥ずかしい」という嘆きの声が聞かれます。
 大工賃金を切り詰めて、低価格競争をするのはルール違反であるような気がしますが、こんなことが続くと、大工のなり手がいなくなるでしょう。と思っていたら、全国の訓練校で、今年の入校生が軒並み減っているとのこと。工務店業界の体力低下が現実味を帯びてきたのでしょうか。
 いい職人がいなければ、工務店の良さは発揮できません。職人を育てる体力がなくなってくるとなると、業界として育てることを考えなければならなくなるかもしれません。建設業界として技能振興のための基金を設立していた長野県では、数年間の休眠状態から脱して、今年から新たに技能フェアを開催することを決めましたが、これがいいきっかけになることを願ってやみません。
 そういえば、工務店が共同で大工を育成する先駆的事例がありました。首都圏の工務店でスタートしたあの「番匠塾」は、残念ながら現在は休校状態です。今の工務店業界にあの熱意をもう一度、と思わずにはいられませんが、伝統の技術を学びながら、大工のネットワークが広がりつつある「大工塾」の取り組みにも注目したいと思います。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 10:12 | 工務店業界サーチ
新興ビルダーの「だまし」営業
あっという間に300万円
 昨年から悪質リフォームが問題になっていますが、だまされるのは高齢者ばかりではないようですね。「だます」というと言い過ぎかもしれませんが、なんだかとてもがっかりしてしまう話を聞きました。
 ある県で新興のビルダーがこんな営業をしているそうです。モデルハウスを見てからでしょうか、次の話に移る前に、申込金として10万円を払わされるそうです。続いて契約金が300万円、矢継ぎ早に払う仕組みになっていて、気がついたときには後に引けなくなっているというわけです。よほど魅力的な営業なのか、夢を見せるのがうまいのか、一生の買い物を短期間で買わせてしまう手腕を一度拝見したいものです。

家は「つくる」という発信を
 賢い消費者のことですから、まさかそんな手には引っかからないと思っていたら、なんとそのローコストビルダーは同県で1位の成績を収めているとのこと。詐欺ではないだろうし、その価格にしてはいい住宅なのかもしれませんが、そんな買い方をしていいのだろうかという疑念が去りません。おそらく夢心地からさめたときに、愕然としてクレームの発生につながるのではないでしょうか。そうなってから地元の工務店の出番だというのはちと悲しすぎますね。
 そんな営業には工務店は太刀打ちできないかもしれませんが、そもそも住宅というものは、お客様と工務店、あるいは設計者が一緒になってつくるのであることをもっと理解してもらうように、工務店側も更なる努力が必要なのかもしれません。

営業宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 18:29 | 工務店業界サーチ
正月休みに読んだ本に?印
トリックミステリー歌野晶午著『家守(やもり)』を読んで
 「工務店 業界サーチ」というタイトルですが、今回は閑話休題とさせていただきます。
正月休みに読もうと思って、歌野晶午の『家守(やもり)』の文庫本を買いました。さすがに本格推理の旗手で、5作の短編集を一気に読ませましたが、その中の表題作「家守」に引っかかったところがありました。推理小説のトリックを明かしてしまうのはルール違反ということになっていますが、そもそもの根本にかかわることなのでご勘弁ください。
 ほぼ密室状態の寝室で口と鼻をふさがれて窒息死した遺体が発見されます。これが実は外部から掃除機で空気を抜いて真空状態にして、犯人は外でアリバイを成立させていたというものです。

リアリティーを感じられないトリック
 まず、30年以上経った住宅でそんな気密状態が可能なのか、という疑問を持ったのですが、換気のことに詳しい人に聞いてみたところ、そもそもそんなことはありえないとのこと。
 掃除機程度の引っ張り力では、空気がなくなる前に機械が動かなくなってしまうので、真空状態にはなりえないし、仮に真空になったら、外部の空気圧に押されて部屋はつぶれてしまっているはずだ、と。
 トリックそのものが成り立たないということになると、リアリティーは失われてしまう。空気がどのくらい薄くなると窒息死してしまうのかについてはまだ確かめてはいませんが、皆さんはどう思われますか。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞 
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 17:17 | 工務店業界サーチ
家づくりのための教科書づくりを
進化する住宅会社
 先日、久しぶりに北海道旭川市の(株)カワムラを訪問してきました。
 もともと家具メーカーだったこともあって、住宅をパーツの集合体と捉える考え方で合理化を推し進めてきた同社は、この10年の間にさらに進化を遂げていました。
 そのひとつは、部位ごとのリフォーム見積もりソフト。トイレやお風呂でも、どのような設備を入れ、どのような工事をするかによって、たちどころに価格がはじき出されるようになっています。
 また、建材については徹底的に有効利用を図っており、端材にいたるまで工場で新たな部材として再生されていました。プレカット部材や建具等、かなりの部材が自社で調達できるようになり、自社で育成している大工がスムーズに建てられるシステムが出来上がっています。

セルフビルダーにも対応
 これをもとに、最近は「セルフビルド」にも挑戦、お客様が施工した分を割り引いているとのことですが、そこで見せてもらったのが家づくりの手順を解説した本でした。実際に施工したお客様が監修に当たっており、基礎工事から住宅の完成までがわかりやすく図解入りでまとめられています。
 お客様に家づくりを勉強してもらうための教本としていいツールになるのではないかと思い、工務店の方に聞いてみたところ、工務店が建てる住宅はそれこそ何でもありで標準化できないから、まとめるのは難しいのではないかとのこと。それは残念と引き下がっては見たものの、工務店業界として、家づくりのための教科書を提案できないだろうか、という気持ちは捨てがたく残っています。
 もちろん住宅ができるまででは不十分で、住み始めてからは愛着を持って住み続けられる家にするための工夫、長持ちする家にするための工夫等についても、工務店らしい提案を込めた教本も必要になってくるでしょう。新築のときが最高で、後は使い捨て、100年も200年も長持ちさせようという意識が薄いとされている日本人の住意識に、一石を投じられればいいのですが。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞 
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 17:15 | 工務店業界サーチ
国産材値上がりの背景
山から木が出てこない
 このところ、構造材用の国産材が値上がりしているようです。外材の価格が上がっているのに便乗? あるいはどこかで買い占めが進んでいる? などの憶測も飛びそうですが、どうやら原因は山元から木が出てこないということらしいです。
 国産材の価格が下がりに下がり、外材と匹敵できるまでにはなったと思ったら、山が木を伐らなくなった―どうやら山側の我慢の限界を超えたということでしょうか。
 「例えば3,000本の杉を植えて間伐した結果、1,500本になったとして、40年育てた結果が1本1,000円では150万円にしかならない。また、苗木を買って植えるのに200万円はかかるから、これでは完全な赤字。伐るよりは太るに任せた方がいい」と考える山持ちが増えているのだそうです。
 山で木を育てられるように、木材を高めに買って還元しようという「近くの山の木で家をつくる」運動の提唱もありますが、なかなか広がっていないのが残念です。

山の危機が伝わるか
 それならば、ということでしょうか。ハウスメーカーに大量に国産材を供給しようという「新生産システム」プロジェクトが進行中です。高く買うことなど望まないであろうハウスメーカーの要望にどこまで応えられえるのか、そもそも山に還元することなどできるのでしょうか。
 もう1つ、ハウスメーカー側の主張は、性能や品質が一定の国産材が、必要な時に必要な量だけ供給されるのなら使ってもいい、ということでしょうが、生き物である木をどこまで工業化部材として扱えるのでしょうか。ムクの木には乾燥によって割れたり反ったりするという性質があることも受け入れて、いかに木を生かすかを考えた結果、木造の伝統的な構法を再評価する契機につながってきたことを考え合わせると、大きな隔たりがあるように思います。
 木材業界では、山に還元するために環境税の創設を求める声が上っていますが、そろそろ実現する時期に来ているのかもしれません。
 山側の危機感がもっと川下にも伝わるような、地域レベルのネットワークが広がることにも期待したいと思います。

宮澤 秀雄 ■ Hideo Miyazawa
日本住宅新聞 
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 17:12 | 工務店業界サーチ