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カテゴリ:野池主義でいく ( 16 )
野池主義でいく⑥
地域で紹介が発生しない理由
 特に都会では「地域」という意識が希薄だし、コミュニケーションも少ない。これは年齢とか世代の問題ではないように思う。私が住んでいる池田市というところはいわゆる大阪のベッドタウンで、私の家(兼仕事場)もかなり古い住宅開発地の中にある。数年前から比較的若い家族が少しずつ入ってくるようになったが、それでもまだ相当な割合で高年齢の人たちが住んでいる。 
 私がここに移り住んだのは7年ほど前で、そのときから近所で会う人には挨拶をしてきたし、今でもそうしているが、向こうから挨拶してくる人は極めて少ない。どちらかといえば、若い人の方が目礼などして、コミュニケーションを図ろうとしているように感じる。 挨拶をしようともしない年齢の高い人には「おいおいお前らが挨拶しない子供をつくってるんじゃないか」と心の中で怒っている。都会の個人主義はもう定着してしまったようだ。
 だから、話に聞く「昔は紹介で工務店(大工)を決めた」というような状況はまずあり得ない。実際、近所のリフォームや建て替えに来ている工務店もバラバラだし、相当に遠いところから来ていることもある(車に書いてある住所でわかる)。
 そうした状況の中で、面的に地域をカバーするような工務店として存在するのはものすごく難しく、以前はそれに近かった工務店でもそうではなくなってきているだろうし、あらためて地域密着を図ろうとする工務店がそういう存在になるのには相当な時間がかかるだろう。しかもそうなっていく過程においてはリフォームが中心にならざるを得ないし、売上や利益を確保するのは相当に苦労するだろう。

とにかく新築で頑張るしかないのか?
 地方の状況も同じかもしれない。いや、もっと複雑な状況なのかもしれない。そうなると、やはり前回に書いたように、新築をメインにして点で勝負していくしかないのかもしれない。現実的に、私がよく知っている工務店でも「紹介で仕事が来ることはほとんどない」と言っている。地域の面的なコミュニティもなく、例えば習い事が一緒だからということで点でつながっている人たちがいて、しかもそういう人たちは非常に強く「距離感」を意識し、その友達に家を建てるという話をすることもなく、もし話をしたとしても誰かが「ここがいいよ」と言うわけでもない(変なところで責任を取りたくないと感じていたり、企業や人を見る目がないと評価されるのが嫌だったり、趣味が悪いと思われたりしたくないからだろう)。
 そう考えると、ほんとにしんどいなぁと感じてしまう。地域の点と出会うために全国規模のフランテャイズやネットワークに入り、チラシを打ち、ホームページを工夫し、ブログを書く。
 ただ、そうやって努力しているうちに少しずつ点が集まってくるようになっている工務店もある。その点の密度が高くなるほど、その地域では目立つようになり、お客さんの幅が広がってくる。そうなってくるまで、とにかく頑張るしかないのだろうか?

野池 政宏
住まいと環境社
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 16:53 | 野池主義でいく 
野池主義でいく⑤
「地域」を考えるヒントを
 ある工務店の人から前回の内容をお褒めいただいた。短い文章の中になかなか奥の深いものが詰まっていると。素直にうれしい。
 さて今回は「地域」。環境への意識の中から「地域」というものを見直そう、地域の中でぐるぐる回していこうという発想が目立ってきている。また、工務店の存在意義の見直しの中で「地域」というものが注目されている。おそらく多くの工務店は「地域」をどう捉えればよいかを考えているはず。ただどうもうまく捉え切れていないように感じる。
 どこまでうまく整理できるかはわからないけど、捉えるヒントになるような話を述べていこうと思う。

1時間の移動距離内
 まず言えるのは、工務店は「移動時間」に縛られているというところ。せいぜい移動時間として1時間程度の範囲でしか仕事ができない。ここが工務店の存在をもっとも確実に規定している事実となる。つまり、工務店にとって地域とは漠然と捉えるものではなく、ある明確な範囲のことを指す。
 もし「地域主義」とか「地元密着」という言葉が、「全国ではなく地域/地元」ということを表しているに過ぎないのなら、こうした「意識の主張」は嘘に近いと言わざるを得ない。「全国でも仕事はできるんだけど、敢えて地域や地元にこだわる」というような工務店はほとんど存在していないだろうから。
 そう考えると、「地域」や「地元」というものは、工務店がその「中身」を理解する対象とすべきものであることがわかる。1時間の移動時間の範囲にある中身を理解していればいるほど、地域主義や地元密着を強く主張することができるわけだ。ここで改めて「地域マスター」という言葉が重みを帯びてくる。

地域を面で捉えるか、点で捉えるか
 しかし話はそう単純ではない。というのは、その「中身」にかなり大きなバラツキがあるから。もちろん地域によってある程度の「色」はあるだろうが、その色よりも、そこに住んでいる人の価値観や個性としての色の方がずっと濃い。地図の絵でイメージすれば、背景として地域独自の薄い色が塗られ、その上に濃い個人の色が重ねられ、しかもその色は多岐にわたっている。
 もしこの事実を元に「地域主義」や「地元密着」という言葉を本来的に捉えるなら、そのどんな色の人にも対応する、というものになるだろう。「なんでもやりまっせ」というのが地域主義というわけだ。
 一方、個性的な家づくりをしている工務店は「個人の色」とつながる。つまり面ではなく点で地域を捉えることになる。このことが、地域というものを真面目に考えようとする個性的な家づくりをしている工務店において、地域をうまく捉えることができない最大の理由だろう。
 次回もこの「地域」の話を続けてみよう。

野池 政宏
住まいと環境社
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 16:52 | 野池主義でいく 
野池主義でいく④
シックハウス問題の続き―シックハウス対策のケリ
 シックハウス対策など、できるだけ早くケリをつけたほうがいい。そして別のもっと前向きなテーマに取り組むべきだ。どのあたりがケリかを判断し、集中してすばやくケリをつけて次に進む。これは「自分が深く追いかけるテーマじゃないテーマ」に向かうときの基本的なスタンスだろう。頭がいい工務店はそれができている。
 じゃあシックハウス対策のケリはどのへんにあるか?
 まず重要なのは「ホルムアルデヒドの指針値を確実にクリアする」というところ。最近は安くていい測定器が出ているから、それを買ってどんどん測る。だいたい0.05ppmをいつもクリアできるという自信がついたら(特に夏場が重要)、引渡し前に全棟測定して、その積み重ねた結果をHPに書く、住まい手に見せる。
 次は壁と床の仕上げ材を「できるだけシンプルなもの」にする。壁は左官材料か自然素材系の壁紙、床はムクのフローリング。また床下には臭いのきつい薬剤を使わない。
 問題は建具。収納の扉や内部建具にシナ合板を使うと指針値ギリギリになる場合がある。この使い方とホルムアルデヒドの測定結果との関係をしっかり把握する。もちろん優先すべきは測定結果であって、ヤバそうな結果が出るなら対応を考える。
 以上、おしまい。あと付け加えるなら「化学物質に敏感な人でも大丈夫」というようなことは言わないということ。

最適化、ベストバランス
 家づくりというもの、諸条件を踏まえた上で「最適化を図る」「ベストバランス」を探る、という作業に他ならない。それが高いレベルでできている工務店ほど「いい工務店」ということになるはずなのだけど、現実の世間の評価はいささか違っている。何か大きな特徴を持っているところが目立つ。見掛けのいいものをちりばめたところが受ける。
 なぜ、例えば「当社は高いレベルのベストバランスを達成させます」というメッセージがうまく届かないのか? それはもちろん家づくりがややこしいからだ。しかもこんなメッセージは「ややこしそう」という印象を与えてしまう。
 でも、まだまだスピードは遅いけど、「家づくりは最適化を図る作業に他ならない」と気がつく人(家を建てようとしている人)が増えているように思う。実際、表立って前に書いたようなアピールはしていないけど、そんなことを感じさせる工務店の評価が上ってきているように感じる。これはとてもいい傾向だと思う。
 さて、ここでひとつ提案をしてみたい。それは「最適化」とか「ベストバランス」という言葉を一斉に使ってみませんか? という提案である。いかがでしょう? ダメ?

野池 政宏
住まいと環境社
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 16:51 | 野池主義でいく 
野池主義でいく③
自立循環型住宅の続き
 あいかわらずほうぼうで自立循環型の話をしている。先日はSE構法をやっている工務店の集まりがあり、話のついでにこのことにも触れた。あんまり関心はないかなぁと思いながら話をしたけど、予想に反して乗ってきた。すでに、今後提供する家ではすべてこの評価を示そうと考えていた会社もあった。
 家を提供する側としては、自立循環型の考え方を取り入れ、省エネがしやすいようにするところまでが守備範囲と言えるかもしれない。でも、やっぱり本気で省エネを目指すなら、提供した家が実際にどれほど省エネになっているのかを確かめたい。またその結果とあわせて、温度や湿度の環境がどうなっているのかというところも確認してほしい。そうすれば、住まい方などともあわせて、自分たちの工夫がどれほど有効か、もしくはうまく使われていないかがわかる。そんな分析をフィードバックさせれば、どんどん進化していくはずだ。
 ちなみに、4月7日(土)には「自立循環型住宅研究会」というものの発足イベントを開催しようと思っている。いま温熱環境や省エネがどこまでわかっているかを示しながら、上に述べたような調査手法についても解説し、さらに様々な人たちと議論を深めたいと思っている。興味がある人は私のHPに注目しておいてください。たぶん開催場所は大阪になると思います。

シックハウス問題
 もし私のことを知っている人がこれを読んでいるなら、私を「シックハウス問題に詳しい人」とか「自然素材に詳しい人(自然素材が好きな人)」というふうに思っている人が多いんじゃないかと思う。いや、もっと正確に言うと「健康や化学物質にこだわっている人」という感じじゃないだろうか。
 でも私が書いているものを読んでもらえればわかるけど、私は「健康な人が病気になる可能性が低い住まいとは?」という発想でこの問題を追いかけてきている。確かに化学物質にひどく敏感になってしまう人は想像を絶するほど大変な苦労をしているし、そうした人を救う手立てや社会システムは必要だと思うけど、化学物質をゼロにしようとするのは行き過ぎだと思う。この問題に取り組み始めた頃からそういうことを言っていたつもりなのに、いつのまにか「化学物質ゼロ主義者」のような印象を持たれてしまい、そういう行き過ぎ論を述べると「裏切られた」みたいな評価を受けてしまうことがある。私はあまりに室内空気のことに無頓着な状況を「普通」にしたかっただけなのですよ。
 とは言うものの、家のつくり手がシックハウス問題について一定以上の認識・知識と具体的な対応力を持つようになってきたかといえばそうじゃない。健康住宅的イメージを持つ自然素材住宅をつくっていても、建具には合板を使っていたりするし、それがどの程度の問題を引き起こすかという追求をしているわけでもない。こうした状況を見ていると、とても危なっかしい。いま考えているレベルよりもう少しだけ目標レベルを上げて、シックハウス問題に取り組むのは大きな意味があると思うのだけれど…。

野池 政宏
住まいと環境社 
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 16:49 | 野池主義でいく 
野池主義でいく②
ちょっと驚いた
 1回目の原稿がUPされたという連絡をいただき、見てみた。そしたら登録工務店しか見ることができないページになっていた。漠然と住まい手を対象にした文章を書けばいいんだろうなと思っていたし、しかも登録工務店限定のページというちょっと価値の高そうな扱いになっていたので、ちょっと驚いた。あんまり気軽に書くのははばかられる。でもあんまり堅苦しいのはおもしろくない。どうしたものかと悩んでいるうちに原稿の締め切りがきてしまった。

自立循環型住宅って知ってます?
 ということで、できるだけタメになる内容にしなきゃと考えて、まず今回は自立循環型住宅の話。すでにこのテキストを持っている人もいるだろう。このテキストの名前を正確に書けば『自立循環型住宅への設計ガイドライン』。昨年6月にIBECから発刊された。
 私はあんまり内容を調べずにその解説セミナーにぶらりと参加した。正直、そのセミナーはテキストを順番に追っていくようなちょっと眠い内容だったけど、テキストの方はめちゃくちゃおもしろく、感動さえ覚えた。これからの「省エネ、快適」のための、まさしくバイブルになる本だ。構成も練れていて、とてもわかりやすい。
 セミナーから帰った私はこの感動を伝えたく、すぐにテキストの全体調整を担当された澤地孝男さん(国土技術政策総合研究所)にメールを打った。「何らかの形でこの普及に協力したい」という熱い思いを澤地さんに伝えた。そうすると、澤地さんの方から「野池さんのような立場の人に解説セミナーをしてもらうことも検討している」とのお返事をいただいた。

テキストを入手しよう
 このテキストはセミナーに参加しないともらえない。私はできるだけ早くみんなにこのテキストを手に入れてもらいたいと思ったのだが、あんまり頻繁にセミナーが開催される様子がなかったので、ぜひとも野池版の解説セミナーを開催したいと考え、いろんな人に「集まれー」と声をかけた。そしたら「野池さんがそんなにおもしろいと言うんだったら、参加してみようかな」という人が結構たくさん出てきた。で、澤地さんを通してIBECと連絡を取り、セミナー開催の了解を得ることができた。そうして、去年の冬からもうすでにかなりの回数のセミナーを開いているし、今後もますます増えていく感触がある。
 一方では、実際の住宅を自立循環的に評価し(とても簡単にどれくらい省エネになりそうかが予測できる)、その予測と実際との関係を調べるような研究会も始めている。住まい手のエネルギー消費量を調べたり、温湿度を測定したりして、自立循環型で紹介されている省エネのための技術がどれくらいの実行性があるのか、またその実行性を高めるには住まい手にどのような情報を与えないといけないかを調べようとしているわけだ。
 とにかく皆さんもセミナーに参加してテキストを手に入れてほしい。セミナーの開催はIBECのホームページでまずチェック。また南雄三さんも全国行脚セミナーを開いている。私がセミナーを開催するときには私のホームページで案内するようにしています。

野池 政宏
住まいと環境社
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 16:46 | 野池主義でいく 
野池主義でいく①
ちょっと恥ずかしいけど
 編集長の野辺さんとはまだ3回しか会っていないのに連載を頼まれてしまった。それも「のいけ主義で行く」なんていうわけのわからないタイトルで。まだ野辺さんのことはよくわからないから(『いい工務店との家づくり』などで書いておられることにはとても感心するけれど)、それが深く考えて出されたものなのか、それとも新建ハウジングの連載のタイトル(環境主義で行こう)からテキトーに思いついたのかは不明だ。もちろん依頼されたときにタイトルを変えたいといえばよかったんだろうし、まだ始まっていないのだから、この段階でタイトルを変えるという手もある。「のいけ主義」ってちょっと恥ずかしいし。
 でもまぁ、野辺さんとしては「野池が書きたいことを書け」ということなんだろうし、そういう意味では書きやすいタイトルかもしれないので、そのままにして進もうと思う。

 正直に言って「地域マスター工務店」のことはよく知らない。ホームページもずっと前にちょっと眺めてみただけ。当然この「住宅考房」も読んだことがないから、今回はじめて読んでみた次第。方向はバラバラだけど、おもしろい人たちが書いている。ちょっとプレッシャーがかかる。

B級的環境主義
 さて、「のいけ主義」をそのままストレートに表現すると「B級的環境主義」となる。私は何か高級っぽいものが嫌いだし、権威主義的なものやこだわり過ぎるのも嫌い。そのへんが「B級的」というところに表れている。「環境主義」の方は私のライフワークに関わること。なぜか環境問題に関心を持つことになって、流れ流れて、「環境にやさしい住まい/暮らし」を広めることがライフワークになってしまった。つまり、この2つを合体させたものが「B級的環境主義」ということ。
 でも実は、ある工務店のホームページで「B級的自然住宅のススメ」という連載を書いていて(もう終わったけど)、それをそのままここで書いていくのはおもしろくない。ということで、どんな「のいけ主義」で行くのかを次号までに考えたい。

野池 政宏
住まいと環境社
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 16:42 | 野池主義でいく