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カテゴリ:工務店設計者の日々( 12 )
工務店設計者の日々⑫
町並探訪
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

変化と定着
 我家の近辺が最近なにやら騒がしい。
 駅前再開発、ゴミ焼却炉解体をはじめ、あちこちに点在していた広めの生産緑地が遺産相続のためか売却され、宅地化されていく。ほんの3年の間に、町の姿はいろいろと変化している。1000平米ほどの栗林が一気に伐採され、近々11棟の住宅がぎっしりと建つ。またその倍の広さをもつキウイ畑も伐採され、宅地化される。
 住宅街にしっくりと溶け込んでいた何気ない緑地も、更地になるととたんに殺風景なものとなる。インフラ整備が完了すると、たちまち建築着工となり、似たような住宅がパタパタと早いペースで完成していく。
 こうしてできあがる新しい住宅も、時間の経過とともに周辺に溶け込んで、なんでもない風景になっていく。以前そこがどんな景色だったのか、人の記憶も消えていくのだろう。そしてそれが、いつのまにかいつもの町並みになっていくのだ。

家と町とのつながりを考える大切さ
 景観が変化し続けても、楽しい町並み、いい町並みと感じるのはどんな町並みだろう?
 いい町に住みたいと思うとき、それはどんな場所だろう?
 長い間、親しんできたものが取り壊されて新しく変わるとき、前の方がよかったと感じることがある。馴染んできたものがそのまま好きな町並みだと感じやすいのかもしれない。また、初めての場所を訪れるとき、いい町だな、楽しい通りだなと感じるときはどうだろうか。道路の巾や街路樹の有無、統一感のある外観など、視覚的なまとまりによるところもあると思うが、いいと思える場所は、住む人々の生活の意識が外に向かっている印象が強い。
 古い住宅でも新しい住宅でも、自分たちが暮らす家の内側だけでなく、外側に意識を広げていこうとすることで、自分が町とつながり、楽しい場につながっていけるのではないだろうか? それが住む町に愛着を感じることのできる近道だと感じる。
 家と町の間を考えることが、家づくり、街づくりにとってとても大切なこと。そんなふうに、自分も町とつながり、暮らしていければ・・・と思う。

 「工務店 設計者の日々」最終回です。1年間ありがとうございました。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:35 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑪
陰翳礼讃
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

陰翳と生活美
 谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読んでみた。
 陰翳礼讃・・・暗さとはネガティブなものとして捉えられるし、現在の都市や生活にはあまり必要とされない言葉だけれども、美しい響きがそこにはある。
 近代の照明や設備機器の変化が、事物に対する感じを変えてしまったこと、日本家屋や工芸品・芸能などを例にあげ、私達の祖先が暗がりの中にも美を求める傾向があること、そして文明の利器を取り入れてきたことに異論はないが、陰翳の世界を失いつつあるということ、などが書かれていている。
 漆器の美しさについて、「蝋燭の灯のようなぼんやりした薄明かりの中に置いてこそ発揮される・・・」「金蒔絵を施したものなどは、明るいところで一度に見るものではなく、暗い所でいろいろの部分が、ときどき少しずつ底光りするのを見るように出来ている・・・」とある。思わずうなってしまう。試してみたいが、豪華絢爛な漆器がないので残念。味噌汁については「いつもはなんでもなく食べていたあのどろどろの赤土色をした汁が、蝋燭のあかりの下で、黒うるしの椀に澱んでいるのを見ると、実に深みのある、うまそうな色をしているのであった」。なんだかそれ相当の暗さをたたえた和室で、味わってみたい。明るい照明の下での食事に慣れている現代人には、見過ごしてしまうような美しさかもしれない。

今の暮らしで礼讃できるものは?
 厠については、「日本の厠は精神がやすまるように出来ている。それらは必ず母屋から離れて、青葉の匂や苔の匂のして来るような植え込みの蔭に設けてあり、廊下を伝わって行くのであるが・・・」こんなトイレには縁がないが、想像は広がる。
 静けさや空気感まで伝わってくる陰翳は、やはり古寺にでも行かないと出会えないのだろうか? 自分の身近な記憶の中にある暗さのある場所といえば、昔の祖父母の家ぐらいだろうか? 確かにトイレは長い廊下の端にあったし、和室と和室に挟まれた廊下はいつも薄暗かった。今の家にはもう存在しない暗さだ。風雅や花鳥風月などとは縁遠い田舎の家だったが、和室から見る庭先は、薄暗さとは対照的に緑が映える庭だった。
 この『陰翳礼讃』、昭和の初めに書かれたものと記されてあるが、その時代にして陰翳の世界が遠のいているのなら、夜でさえも暗さを感じることが出来ない今は何を礼讃したらいいのだろう。現代に陰翳の美しさがなくとも、闇の中に浮かぶ美しいものを見分けられる力は残っていると思いたい。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:28 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑩
実家にて
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

年末に年明けまであと数日しかないと慌てていたのも嘘のように、新しい年になれば、これもまた嘘のようにあっという間に1ヵ月が過ぎていく。歳をとるのも早いわけだ。

母の異変
 今回はお正月に実家に帰った話をひとつ。
 実家に帰れば、いつも一緒に元気に外出する母親に異変が……。老化による膝関節痛で歩けないというのだ。おまけに痛い膝をかばいすぎて坐骨神経痛にもなってしまったのだ。家でおとなしくしているしかないのだが、トイレに行くにもひと苦労。靴下を履くにもひと苦労。入浴するにもひと苦労。いつもちょこまか動いていて、定期的にウォーキングもしている母なのだが、本人も今までにない経験で足を動かすたびに苦悩の表情。思うようにいかない体に、苛立ちと意気消沈。そばで父はおろおろ。
 十数年前、家を新築したときに、ありとあらゆる場所に設置した手摺が大活躍した。普段は使用していなかった手摺だが、突然、訪れた母の体の変化に対応できた形となった。

老化という現象
 今回の関節痛は突然だったが、徐々に2人とも寒冷熱暑に適応しにくい、明暗の順応性の低下、視力や聴力も低下……など、もろもろの身体機能の変化が起きている。
 冬の室内はこれでもかというくらいに暑いし、夏はもちろんエアコンではなく扇風機、夏の外出時はエアコンの冷風を恐れている、テレビの音は大きいし、会話の声も大きい。高い場所に収納していたものも、だんだんと出し入れがしにくくなるようで、手に届く範囲でしか収納しなくなっている。
 父は庭で滑って転んだ拍子に手首を捻挫。転んだ時、手が出たということは反応が早かったともいえるが、このことは私にはしばらく内緒にされていた。転んだと言いたくなかったようだ。
 大きな疾病やそれに伴う障害があるわけではなく、今はつつがなく暮らしているが、一般的な老化は進んでいる。認識していなかったわけではないが、自分の親だけは老化現象とは無関係と思いたかったのかもしれない。同世代の友人の親にも、同じような傾向が現れているようである。もうじゅうぶん高齢者の範囲なのだと思い知る帰省だった。

高齢者住宅を考える視点として
 高齢者のための住宅設計においては、廊下の巾にゆとりを持たせ、浴室・トイレの手摺設置、段差の解消などなど、生活動作がスムーズに移行できるバリアフリーは大前提だが、さらに住生活に対する意識や心理的な変化にも心を配らなければならない、とも思い知らされる帰省でもあった。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:26 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑨
八重山詣で
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

種子取祭に病みつき
 ここ3、4年続けて、11月初旬に竹富島を訪れている。
 竹富島は沖縄県石垣島から約6キロ、船で15分くらいのところにある小さい島。ここで毎年行われる種子取(たなどぅい)という祭を観るために・・・。種子取祭は伝統的な芸能を奉納する農耕祭事で、種子を蒔く種おろしの日の行事だ。2日間にわたって舞踏や狂言など70演目あまりの芸能が繰り広げられ、重要無形民族文化財となっている。島の人々によって催されるこの行事、本当に見事で、楽しくて、島全体がその高揚した気分に包まれて一度訪れたら病みつきになってしまうのである。
 小さい島なのでメイン会場を離れても、風にのって歌声が聞こえてくる。そんな中をぶらりぶらりと散歩する。すっかり魅せられてしまった旅行者の一人だ。

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一軒の家が全体と共存する風景にも魅せられて
 すばらしいのは種子取祭だけではない。白い砂の道、珊瑚石灰岩で積み上げられた石垣、屋敷の正門と母屋との間に設けられた「ひんぷん」(屏風状の塀のことで、外からの目隠しや悪霊を防ぐためのもの)、赤瓦を漆喰で塗り固めた屋根。道は朝に昼に、箒で掃かれキレイな白い掃き目が引かれている。石垣は人の目線が隠れるか隠れないかの程よい高さで、来訪者を拒否するでもなく、適度に開放感を感じさせる。日が沈む頃に、島にある小さな展望台から眺める景色は平屋の赤瓦がいっそう美しく目に映る。
 島の町並みは伝統的建造物郡保存地域に選定されている。赤瓦の家を保存すると共に、新築についても審査基準が設けられているそうだ。
 そんな町並みを保全する一方で、家一つ一つを見ていくと、屋根の上の魔除けのシーサー然り、ひんぷん然り、個性が溢れていてとても親しみが持てる。自分の住まいだけでなく、全体と共存していく生活が、島を歩いていると感じられる。
 歴史や伝統を保存しつつ変化していく共同体、自分が経験したことのない共同体がそこにはあり、それを疑似体験しにまた訪れてしまうのである。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:24 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑧
家の修繕
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

将来のメンテナンスを考えてはみるものの
 自宅を建てて、この11月で2年になる。家のメンテナンスを考えてみるとき、それが10年後、20年後に修繕しなければならないこととはわかっていても、今の時点でトラブルがなければあまり実感がわかない。外壁の塗り替えや、設備の交換など、修繕項目はいろいろと増えていくのであろう。その時に備え、マンション修繕費のように別枠で計画的に予算をとっておかなければならないと考えてはいるのだが・・・。
 両親の家は新築してから10年以上が過ぎた。すでに外観については塗り替えし、設備機器も部品を交換、購入しなおしたりしている。内装にもそれなりに時間の経過が感じられるようになった。外壁の塗り替え、クロスの張り替え、設備の交換などであれば専門業者に頼みやすいが、その他にも専門業者に頼みたいけれど、頼むほどのことでもないということが多いようである。たとえば、1、2本程度の植木の刈り込み、網戸の張り替え、濡れ縁の塗り替え等など。60歳でできていたことが70歳を過ぎると体力的にきついようだ。

早めにまめに
 そんな折、早期退職された近所の方が、小さい修繕や植栽の刈り込みを、趣味の延長だからと格安で引き受けてくれている。近所の高齢の住人からも同じように声がかかり、界隈ではたいそう評判が良いようである。そのような幸運もあり、大きい修繕に併せ、小さい修繕をまめに繰り返しているせいか、両親の家は10年以上経過していても綺麗に保たれているといっていい。
 家を長持ちさせるためには、必要なメンテナンスを早めにまめに行うことが大事。わかっていても実行できるかどうか。賃貸住宅ならば、何かあれば不動産屋経由でオーナーに連絡すれば済んでいたことも、自分がオーナーになったからには自ら解決しなければ・・・。1年は早く、10年という月日もあっという間だろう。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:04 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑦
里山の夏休み
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

「越後妻有トリエンナーレ」へ
 この夏は新潟・越後妻有に出かけた。越後妻有という場所は高齢化、過疎化に加えて、中越大震災、記録的な豪雪と、大変な災害と戦ってきた地域だ。
 そこで「越後妻有トリエンナーレ」という3年に一度行われる国際美術展覧会が開催されたので行ってきた。2000年から始まり、今年で3回目になるのだが、毎回楽しみにしている展覧会である。
 山と川、棚田に囲まれた760k㎡という広大な地域に40の国と地域200組のアーティストの作品、それに第1回目と第2回目の作品を合わせると330点ほどの作品が設置されている。現代アートの他に、陶芸・華道、舞台芸術とさまざまな芸術分野の作品が集まっている。驚くほどの美しい棚田やむせ返るような深い緑を五感いっぱい感じながら、棚田や休耕田、市街地、温泉街、山間部、集落などなど、あちらこちらに点在する作品を地図を片手に巡っていくのだが、これがなんとも楽しい。


「空家プロジェクト」
 今回は、過疎化や震災により各集落に増えた空家を建築家がリノベーションしたり、アーティストが作品を展開したりする「空家プロジェクト」が行われていた。根曲がりした木の梁や、茅葺き屋根、土壁など木の家の良さを改めて感じられる築百年の民家などは、美術館やギャラリーで鑑賞するのとはまた違う時間や空間を感じることができる。
 アーティストは以前その場所にあった感覚や価値をうまく転換して、私たちに見せてくれる。説明などなくても誰が見ても感じるものがある。その発見が楽しさのひとつだ。
 その他にも、地域住民が場所をアーティストに提供し、作家と住民・ボランティアの協力で制作する作品が多数ある。外からやってくる作家やボランティアとそこに暮らす住民と、地域や世代を超えてつながっていくネットワークを感じることができた。都市にいるだけではわからない場の力と新しいコミュニティについて考えさせられる数日間だった。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:03 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑥
家と収納と私
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

『収納はなるべく多めに・・・』
 施主のプラン作りの要望に必ず入っているのがこの項目だ。
 どこの家にも物は多くあふれている。
 洋服、靴、食器、本や参考書とか、メモ、領収書、手紙、CD、子供の使わないおもちゃ、季節限定家電、などなど。挙げていけばきりがない。
 家族の人数や住んでいる場所、職種や趣味の違いで持ち物は無限大。
 毎日使うものの他に、1年に1回しか使わないものでも、収納しておかなければならないものもある。設計をする側にとっても十分な収納を確保することは、重要だ。
 そんな私も、自分の持ち物に振り回されている一人だ。
 すべてを使いやすい場所に置ければ言うことはないが、限られたスペースではそうはいかない。

収納の女王を目指す
 私は持ち物を、頻繁に使用するもの、たまに使用するもの、めったに使わないもの、という具合にゾーン分けをして収納するように心がけている。ところが、最初はうまく稼動していても、まめに整理をしないとたちまち乱雑になり、ミックスゾーンが出来上がる。
 納戸やウォークインクローゼットという空間は、とっても助かるのだが、「とりあえずあの部屋に入れておこう」を繰り返していると、自分の収納イメージなどアッという間に吹き飛んで、ミックスゾーンは増大するばかりである。そうすると、家の中は一見片付いているように見えるが、納戸の中は・・・。
 たくさん確保したはずの収納場所も、「必要なもの」「不要なもの」を定期的に見直さなければ、足りないままである。とりあえず何でも収納できる場所がありすぎると、片付けない習慣につながりがちだ。おっと、前回、若者にそっと心の中で「部屋の整理整頓をしなくちゃダメだよ」とつぶやいていた私だが、自分のことは棚に上げていた。家を快適に維持するにも、自分の意志と持続力が必要。ここで反省するわけでないけれど、納戸を開けたら、そんなふうに思えてきたのでこの場を借りて、決意表明です。片付けます!
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 12:57 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々⑤
車内と若者と私
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

揺れる電車で器用に化粧
 ついついしてしまう人間観察。電車に乗ったときも、車内を見渡してしまう。読書する人、新聞を読む人、ゲームする人、寝ている人、音楽を聴く人、勉強する人、メールをしている人。移動の時間を有効に使い、それぞれ思い思いのことをしている。自分も読書したり、居眠りしたり・・・うん、うん、ここまでは普段の光景だ。
 そんな中、向かい側に座る若い女性が、カバンの中からゴソゴソとポーチを取り出し、化粧を始めた。鏡を覗き込んで念入りに眉毛を描いたり、まつ毛を伸ばしたり。揺れる車内で器用に顔を作りこんでいく。
 まだやる? というほど、顔を右左見つめて、目を見開いて。周りの乗客の視線など気にもならない様子。こちらも見ないよう努めるが、ついつい気になって目が向いてしまう。気付けば他の乗客も視線が釘づけに。

寝顔をさらしているような
 そうかと思えば、別の日の車内では、大学生と思われる男性がコンビニの袋をおもむろにガサガサッとあけ、おにぎりのフィルムをペラペラとはがし、勢いよく食べ始めた。また違う日には、パンくずをこぼしながら菓子パンを食べている人も見かけたことがある。食事の場合、男性と女性、両方を見かける。早い時間帯なら朝食、夕方なら夕食前の腹ごしらえといったところだろうか? 座っていている場合だけでなく、立っていてもその場で、動じることなくもぐもぐ食べ始める。
 どちらも少数派ではあるが、目の当りにするとちょっとびっくりすると同時にドギマギする。車内で寝顔をさらしているのと差はないし、長距離電車で食べる駅弁と何の違いがあるのだろう。それでも近距離電車での化粧とコンビニ食事の風景は車内の光景として新しい。皆、パーソナルスペースとやらを小さくして同乗しているところに、予告もなしに隣で生活の一部を繰り広げられてもなぁ・・・。スペースの大きさと使い方を間違ってるよ。
 降り際に、「部屋、ちゃんと整理整頓、掃除しなきゃだめだよ」と、心の中でつぶやいてしまう私。
 いかん、説教好きな中年になってしまう! 反省、反省。さ、今日もがんばろう・・・っと。





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by ju-takukoubou | 2009-04-09 12:55 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々④
ヤドカリライフ
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

幼年期の住まい
 ふとしたときに子供時代に住んでいた家のことを思い出すことがある。
 我が家は転勤族だったので、社会人になって独立するまで8回ほど転居した。
 最初に住んでいたのは平屋の木造一戸建て。記憶に残っている間取りを辿ってみる。
 玄関が引き違い戸で、ガラリと開けると4帖ほどの板の間。その板の間の両側は和室。夏は両隣の和室の襖はいつも開け放されていた。押し売りが来て、玄関に座り込まれた記憶もある。大きい和室は寝室。親子川の字で夏には蚊帳。小さい和室は茶の間。
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2回目の社宅も平屋の木造一戸建て。板の間・台所・廊下に建具などなく、つながっている。当然板の間が茶の間。食事をしてテレビがあって、宿題するところ、人が集まるところ。小さい和室を子供室として与えられたが、机に向かうでもなく、傘を3、4本広げてはパオのようなものを作って、もぐって漫画を読んでいた。
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平屋、平屋、集合住宅、木造2階建てへ
 その後3回、4回目の社宅も同じように平屋木造一戸建て。当時の私の憧れはベッドでも洋室でもなく階段のある家! これに憧れていた。


 5回目も同じく平屋木造一戸建てだったが、元質屋を営んでいた家を会社が借り上げしていたので、蔵と門がついていた。階段ではなく…・・・。
 その家は新宿から電車で10分くらいのところだったから、今思えば贅沢な住まいだった。蔵の分厚い扉は取り外されて、母屋と一体として使えるようにリフォームされていた。その蔵が私の部屋としてあてがわれた。箱入り娘ならぬ、蔵入り娘。
 夜になると門は閉じられて、小さい勝手口から出入りする。
 6回目、7回目はRCの集合住宅。そして8回目にやっと階段のある木造2階建て。

茶の間替えを楽しみませんか
 どの家に住んでもいつも室内は開け放されていた。階段があろうとなかろうと、戸建てであっても集合住宅であっても。そして夏は座卓で、冬は炬燵の茶の間は、何回引っ越してもいつもあった。ダイニングテーブルやソファが持ち込まれ、ここから違う暮らしが始まるのかと、心ひそかに期待しても、そこはいつの間にかリビングダイニングではなく、茶の間の様相になっていた。
 子供時分は住まいのことなど思うままにならなかった。こんな部屋にしたいなどと思っても、社宅だし、京壁和室だし、壁に鋲を打ってはなりませぬとか、抵抗したところで無駄なのだ。
 その慣習が身についているせいか、どんな家に住もうとも、体がそれに合わせられて、居心地の良い場所を見出せる性質を持ち合わせることができた。
 そして大人になったいま、自分達で建てた家は、子供時代の反動ではなく、その茶の間を進化させる家になった。夏はこの場所、冬はあの場所と、限られたスペースで茶の間を移動させては、衣替えならぬ茶の間替えをして楽しんでいる。階段? もちろんついてますとも。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 12:00 | 工務店設計者の日々
工務店設計者の日々③
錦糸町のマンションの最上階に
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

ジャン・レノが住むマンション
 錦糸町の駅前マンションの最上階にジャン・レノが住んでいるらしい。
 そんな話を友人から聞きました。
 ほ、ほんとうですか??
 そのマンションの広告にジャン・レノを起用したのでそんな噂があるらしいのです。
 もし本当なら、それはスゴイコト。
 近頃は有名な俳優やタレントを起用したマンションやハウスメーカーの広告を目にします。
 ロハスなマンションは世界の坂本教授だったし、豊洲のマンションは黒木瞳、芝浦はSMAP、日本橋ではリチャード・ギアなんていうCMもありました。
 またハウスメーカーでは、ミサワホームと松井秀樹、木下工務店はカリスマ主婦・栗原はるみとのタイアップ。どれも商品の認知度とイメージアップを期待するCMですが、狙う顧客層へのブランドづくりには効果大なのでしょう。CMどおりにスーパーで買い物帰りの黒木瞳にEVの中でばったり会ったりしたら、なんて挨拶したらいいの?? ここここんにちは~。ジャン・レノの噂よりスゴイコトです。

誰をイメージキャラクターに選びますか?
 もし地域マスター工務店でCMを作るとしたら??? 
 いったい誰を起用するのがいいのでしょう?
 こんな想像を始めたら、すぐ横から「菅原文太!?」という声が・・・・。
 悪くないけど・・・・・。
 工務店に持たれがちな武骨なイメージでなく、もっとそれを超えるような新しいエッセンスが欲しいところです。

 地域に根ざし、つくり手の見える工務店、マスター工務店の理念に適う人物・・・
あなたなら誰を選びますか??
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 11:55 | 工務店設計者の日々