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住宅道具・考⑱
世界一周畳の旅 その13 
The椅子 雲南竹楼の尻突き椅子 PART1

山口 昌伴

◆中国雲南と日本、どっちも「たたみ」の上ぐらし
 中国西南端・少数民族雲南タイ族の民家は「竹楼」。日本でいう総桧(ひのき)造りという言い方で「竹楼」は「総竹造りの楼閣」ほどの意。竹楼は地上階は木の柱が林立する吹抜けピロティー。高床の2階居室の床は丸竹を割って圧し延ばした(拉(ひし)ぎ広げた)拉ぎ竹、のし烏賊ならぬのし竹フローリングだと前回紹介した。圧し延ばす(拉ぐ)ことを「たたむ」とも言う。「彼奴(あいつ)邪魔くせえ奴だからたたんじまえ」なんて言う。そのたたんじまったものが「たたみ」である。雲南タイ族の竹楼にはそういう意味での竹の「たたみ」が敷きつめてあったのである。
 その竹たたみの上での生活は床坐式――床に坐ったり、しゃがんだり、寝たりの起居様式である。日本も伝統的な住まいは高床の上で床坐式だった。といっても、こっちは床高2尺(60cm)ほどだったし、「たたみ」は藁を厚くたたんだ上に藺草を織った(たたんだ)畳表(たたみおもて)だった。でも夏には少し暑苦しいので、竹皮を編んだ薄縁(うすべり)を敷いて夏座敷に仕替えた(京都ではこの夏向き・冬向き・インテリア転換を「建替え」といった)。なァんだ、雲南民居(中国では日本でいう民家を民居と書く)とおんなしヤンカ。そう、雲南は亜熱帯、常夏だからずっと夏座敷でとおしてる、というわけである。
 その、日本と同じような「たたみ」の上での床坐式の起居様式は日本とおんなじか、というとひとつ「おおきな」ちがいがある。標題に掲げた「尻突きの椅子」を用いる点がおおちがい、なのである。

◆座蒲団と尻突き椅子
 雲南タイ族・竹楼の階上に上がった私、ふ~むフムフム竹のたたみで床坐ぐらしかァ、ニッポンとおんなしやんかァ、としきりに感嘆して、歩きまわったり、坐ってみたりしていた。そのうち部屋の端っこの方に坐卓があった。甲板高さ尺~尺1寸(30~33cm)ほど、直径3尺(90cm)ほどの円卓で、藤の幹で脚部と甲板縁を造り、甲板は藤の皮で編んである。卓袱台(チャブダイ)とおんなしやんかァ。それも正調チャブ台の円(まる)チャブである。卓袱台は大正時代、まだ伝統床坐だった住まいに箱膳などの銘々膳にかわって登場した。「近代家族の平等」を象徴する「共用の食卓を使う食事文化」のライフスタイル・ニューモード坐卓だった。それが雲南竹楼には大昔からちゃんとあった。あたりまえだよなァ、竹楼とはいえ「たたみの床坐」生活だもん、当然食卓は卓袱台様(よう)坐卓にナル。
 そう納得した次の瞬間、オヤッ? 円筒を短く切って切口をふさいだようなものが点々とある。その円筒の下方が少し開いていて、円錐台形なので、私はとりあえずトルコ帽と名付けた。頭に冠(かむ)るトルコ帽より、直径が少し大きい。この大型トルコ帽とは何だナンダ。これが標題に掲げた「尻突き椅子」なのであった。次回でタネあかし。


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by ju-takukoubou | 2009-04-09 15:53 | 住宅道具・考 
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