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住宅道具・考⑬
世界一周畳の旅 その9 
もうちょっとでたたみ アメリカ

山口 昌伴

◆コロンブスを発見
 道具学会では、学問は「行って、見る」ことから始まる、としている。ことさら道具学では、学問は文化比較から始めよ、をモットーとして、世界各地に「行って、見る」探検踏査を重ねている。
 ある年、私は道具学会の海外比較道具文化研究会で、アメリカ探検をやろう、と切り出したら皆が笑った。コロンブスみたいだ、と。
 たしかにコロンブスはアメリカを発見した。ただしそれはコロンブスにとってのアメリカ発見であって、もとからアメリカに住んでいたインディアン――いや失礼、アメリカ大陸原住民=ネイティブ・アメリカンにとっては、コロンブスに発見されたなんて言われたくないだろう。むしろネイティブ・アメリカンは俺たちがコロンブスを発見したんだと言いたいだろう。
 ま、コロンブスにとってはアメリカは発見だった。だから道具学会にとってもアメリカは発見できる筈だ。コロンブスの頃に較べるとインディアン――いや失礼、ネイティブ・アメリカンは桁ちがいに増えているけれども、と私は云い張った。陰の声:アメリカンがヤマグチサンを発見したら、インディアンがコロンブスを発見したよりもビックリするだろうナ。
 さて、アメリカといっても広い、どこを探検しようか。メイフラワー号がたどりついて新しいアメリカの始まった故地を歩いてみようと衆議一決、ニューイングランド地方の開拓民たちにとって初めて安住の地となったコネチカット州のウッズベリーという村を訪ねた。

◆靴が脱ぎたい! シャギーカーペット
 ニューイングランドはその名のとおり英国のイングランドの田舎とそっくりの、絵のように美しい佇(たたず)まいだった。
 その村で大きな農園を経営する豪壮な1軒を訪ねた。ウエルカムと、ミニ・ホテルのような邸宅を隅から隅まで案内して見せてくれた。キッチンなどフローリングの床はツルピカで、廊下、階段、各室はふかふかのカーペット敷詰め。ひと巡りを終えるとリビングルームでひと休みしなさいと案内された。断っておくが、ここは洋式生活の本場だからツルピカのフローリングの上もふかふかカーペットの上も土足でとおしてきた。そしてリビングルームの床は、まっ白なシャギーカーペット。靴が見えなくなるほど毛足の長いカーペット。私は土足で踏み込むのが反射的に躊躇された。けれども欧米のマナー感覚では人前(ひとまえ)で靴下はだしはたいへんな無礼、というより淫(みだ)らなのだそうである、と案内役の道具学会の現地会員O氏から厳しく戒められた。私は靴を脱いだらずいぶん心地よいだろうと思うだけに、ふかふかシャギーの上で、たいへん居心地のわるい思いをした。

◆もうちょっとでタタミ
 欧米人もいまや床にくずれこんでくつろぎたくなってきている。イタリアなぞでは床坐暮らしにとても楽ちんそうなごろね家具をふかふかカーペットに置いたりしている。ソファーがどんどん低くなってごろね家具に近づくほど、靴ばきは身に合わなくなる。けれども靴は先述のような禁忌(タブー)があって、脱ぐわけにいかない。アメリカで聴いた話だが、欧米人にもはだしの気持ちよさを知ってしまったのがいて、1階(グランド・フロアー)では靴ばきだが、2階(ファースト・フロア)の昇り口、あるいは昇ったところで靴を脱いでしまって、2階には他人(ひと)を上げないようにして、素足のカーペットざわりを楽しんでいる手合いも居る、とのこと。
 欧米人もベッドに上がるときはさすがに靴を脱ぐ。つまり2階の床(ゆか)全体をベッドと見れば、昇り口で靴を脱いでも欧米の作法に違反はしないわけだ。2階の床全体がベッド!? そりゃあ、もうちょっとでタタミだ。


道具学会 


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by ju-takukoubou | 2009-04-09 15:45 | 住宅道具・考 
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