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NARB of JAPANの実現へ向けて⑤
200住宅
小池 一三 ■ Ichizo Koike

200年住宅への疑問
 先日、滋賀県の平野住建さんに案内していただいて東近江の五個荘の商人屋敷を見て回った。作家の外村繁さんの実家でもある外村宇兵衛邸の母屋は、万延元(1860)年ということだから、築後150年近くになる。大工仕事の丁寧さが伝わってくる家で、黒光りした柱も梁にも何ともいえない風格がある。
 そこで思い出したのが福田首相の「200年住宅」であった。
 この家は、余程の地震に見舞われない限り、もう50年くらいはびくともしないだろう。しかし、今これだけの仕事をやれる大工が何人いるのかと言われれば、そう簡単な話ではないと思われた。
 200年ということになると、そもそも鉄筋が入った基礎で大丈夫かということになり、「釘が危ない」ということになるだろう。ナチュラルパートナーズの大江忍さんから、釘の写真を撮るため、薬師寺の再建で使われた白鷹幸伯さんの釘をお借りしていて、それを眺めながらつくづく思うことは、今の軟かい釘がどれだけ持つかということだった。
 あらゆることを根本から考え直さないと200年住宅になりようがないわけで、福田さんはその建築費をどう考えているのかと思った。

建築費を無視した議論はナンセンス
 所詮、35年の住宅ローンでつくる建築費は知れていて、昨日の所信演説では税制うんぬんが言われていたが、その前に建築費が大問題である。まず住宅ローンの制度を根本から見直さない限り、絵に描いた餅でしかない話であって、それを一国の首相の所信方針演説で述べていいのか、その根拠を考えているのかと、ぼくは今朝の新聞を読み、商人屋敷を思い出しながら、つい冷笑が浮かんでしまった。せめて元金年1%の100年ローンを制度化してから言うべきことではないのか、と。2,500万円の予算が1億円になるなら、かなり結構なものが建てられる。200年で計算すると、補修費が相当に掛かったとしても、それでもトータルで考えると安い。
 商人屋敷を見ながら、今のお金に直したら建築費はいくらぐらいかなと、同行した「町の工務店ネット」事務局長の山崎博司さんに聞いた。彼は「それは高いやろね」と言い、続けて「そやけど200年で割ったら、今の平均価格より安いのやないか」と言う。奈良の寺社建築を専門に手掛けてきた山崎さんらしい話で、ぼくはこの理屈が妙に気に入ったのだった。

(有)小池創作所 
小池一三の週一回 
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 14:12 | NARB of JAPAN 
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