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工務店設計者の日々⑩
実家にて
株式会社青木工務店 設計パートナー
薮田 紀子 ■ Noriko Yabuta

年末に年明けまであと数日しかないと慌てていたのも嘘のように、新しい年になれば、これもまた嘘のようにあっという間に1ヵ月が過ぎていく。歳をとるのも早いわけだ。

母の異変
 今回はお正月に実家に帰った話をひとつ。
 実家に帰れば、いつも一緒に元気に外出する母親に異変が……。老化による膝関節痛で歩けないというのだ。おまけに痛い膝をかばいすぎて坐骨神経痛にもなってしまったのだ。家でおとなしくしているしかないのだが、トイレに行くにもひと苦労。靴下を履くにもひと苦労。入浴するにもひと苦労。いつもちょこまか動いていて、定期的にウォーキングもしている母なのだが、本人も今までにない経験で足を動かすたびに苦悩の表情。思うようにいかない体に、苛立ちと意気消沈。そばで父はおろおろ。
 十数年前、家を新築したときに、ありとあらゆる場所に設置した手摺が大活躍した。普段は使用していなかった手摺だが、突然、訪れた母の体の変化に対応できた形となった。

老化という現象
 今回の関節痛は突然だったが、徐々に2人とも寒冷熱暑に適応しにくい、明暗の順応性の低下、視力や聴力も低下……など、もろもろの身体機能の変化が起きている。
 冬の室内はこれでもかというくらいに暑いし、夏はもちろんエアコンではなく扇風機、夏の外出時はエアコンの冷風を恐れている、テレビの音は大きいし、会話の声も大きい。高い場所に収納していたものも、だんだんと出し入れがしにくくなるようで、手に届く範囲でしか収納しなくなっている。
 父は庭で滑って転んだ拍子に手首を捻挫。転んだ時、手が出たということは反応が早かったともいえるが、このことは私にはしばらく内緒にされていた。転んだと言いたくなかったようだ。
 大きな疾病やそれに伴う障害があるわけではなく、今はつつがなく暮らしているが、一般的な老化は進んでいる。認識していなかったわけではないが、自分の親だけは老化現象とは無関係と思いたかったのかもしれない。同世代の友人の親にも、同じような傾向が現れているようである。もうじゅうぶん高齢者の範囲なのだと思い知る帰省だった。

高齢者住宅を考える視点として
 高齢者のための住宅設計においては、廊下の巾にゆとりを持たせ、浴室・トイレの手摺設置、段差の解消などなど、生活動作がスムーズに移行できるバリアフリーは大前提だが、さらに住生活に対する意識や心理的な変化にも心を配らなければならない、とも思い知らされる帰省でもあった。
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 13:26 | 工務店設計者の日々
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