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辣腕記者のヒント⑩
過当競争時代のプレカット
日刊木材新聞社 橋本 崇央

プレカット業界の基本戦略の崩壊
 ハイビックが日東木材産業の株式の約67%を取得し、子会社化した。双方の経営者を知っている立場からみると、齋藤会長はまた次の夢に向かって動き出したのかと感慨深いものだった。
 7月、8月と住宅着工は異例の落ち込みとなり、プレカット工場などへの大きな影響が出ている。8月の着工は前年同月比43.3%減、季節調整済み年率換算で72万9,000戸と昭和40年1月に季節調整開始以来の最低となった。昨年の129万戸台から一気に70万戸の世界に落ち込んだのだからたまったものではない。そんな厳しい需要環境の中で事業を拡大していくのは、従来どおりの手法では通用しない。
 これまでのプレカット業界の中では規模拡大、生産性向上、エリアの拡大などが基本で新たなエリアに進出するには新たに競争力の高い工場を立ち上げ、生産性や価格競争力で新たなマーケットでシェアを取るというのがこれまでの動き。先には少子高齢化で100万戸時代が到来すると予測しても、その前に消費税率引き上げによる大きな山があり、この山に照準を合わせて需要を取れるだけとり、反動減に耐えられる企業体力を蓄えるというのが大手の基本戦略だったと思う。

日東木材産業・斎藤会長の今後を注視したい
 しかし、消費税の駆け込みの山があるのか、100万戸時代どころか、一気に70万戸時代を感じさせる中で新たなマーケットを取るために、もはや新工場をつくる必要はなく、既存の工場とその商圏を別の方法で獲得することが投資を削減するし、無駄な競争で体力を消耗する必要もない。現在ある工場だけでも相当に過剰な生産能力となりつつあり、これを有効に活用することが業界にも求められていることを示す結果となった。
 勿論、景気が悪く住宅市場は需要を先食いしたと見ても4割減はあまりに異常で、いずれこの分の需要は何処かで顕在化するものとは思われる。だからといって生産性の高い大型工場を新規につくり、いたずらに競争を仕掛けても得るものは少なく、体力を消耗するだけ。そんな時代を迎える象徴的な出来事として今回の買収を見た。
 ハイビックは日東木材産業の工場を傘下に収めることで、在来・金物工法のプレカットで東海エリアに拠点と顧客を得て、御殿場近くに購入していたプレカット工場用地は売却したことで、必要以上の競争はなくマーケットを拡大できたものと見られる。
 日東木材産業の齋藤会長も株式を売却して、これからのんびりと老後の暮らしを楽しむのかとは考え難く、この資金で新たな事業を立ち上げてくるに違いない。齋藤会長のこれからにも期待して次の展開を見守りたいと思う。

日刊木材新聞社
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by ju-takukoubou | 2009-04-09 11:07 | 辣腕記者のヒント
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