地域マスター工務店登録運動 Webコラム

カテゴリ
全体
住まいづくりをチェック
いい工務店との家づくり 
業界コトバの散歩 
工務店ブログ探訪
住宅道具・考 
辣腕記者のヒント
野池主義でいく 
工務店業界サーチ
住まいを歩く 
工務店設計者の日々
NARB of JAPAN 
住宅ローン審査の仕組み
リンク
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
辣腕記者のヒント③
国産材の需要が増加する傾向にある
日刊木材新聞 橋本 崇央

国産材需給率の回復基調
 国産材の需要が増加する傾向にある。地球温暖化防止など環境問題を意識して国産材を積極的に活用していこうという気運の高まりや外材の高騰、供給減などもあって着実に需要拡大しており、17年度の木材自給率は前年度比1.6ポイント増加して20%に回復した。主な要因は合板素材としての増加があり、国有林のシステム販売によるB材需要の創出などの成果が挙げられる。
 そして今注目を集めているのが、新生産システムの動向だろう。新生産システムは林野庁のシステム販売に続く国産材需要拡大の切り札として、18年度から22年度の5年間で全国の11ヵ所の指定地域の大型製材工場に積極的に補助金を投入して大型製材工場の生産性を高め、住宅メーカーなどの大口需要家に対しての供給量を拡大していこうというものだ。

露呈してきた新生産システムの問題点
 現時点では指定地域のそれぞれの計画が具体化され明らかになってくるにつれ、地元の中小製材業や木材市場、木材流通などの間で新生産システムに関する疑念の声が聞かれるようになってきた。それというのも指定されたグループの中核となる製材工場での増産に向けた丸太消費の拡大が広域集荷につながり、地域外の大手製材工場に吸い上げられていく現実を見て、丸太供給に対する不安が顕在化してきたといえる。
 北関東に昨年できた大型製材工場の影響で北関東の杉丸太の相場は1年で倍になり、価格の高騰が林家の生産意欲を刺激して丸太供給が拡大するかに思われたが、なかなか丸太の供給増にはつながらなかった。大型製材工場の誕生を契機に丸太需要が拡大、丸太価格が上昇し、林家の手取りが増えるというのであれば、ある意味国産材問題の大きな部分となる林家の生産意欲の高まりや森林施業の適正な実施につながるのだろうが、丸太の高騰が供給量の拡大につながらず、中小製材工場は丸太は買えない、買っても採算が合わないと淘汰の道を推し進めることになりかねないこともわかってきた。
 新生産システムでは施業の合理化も進め丸太の生産量が増加し、山土場で丸太の仕分けを行い製材工場に直送することで、市場への横持ち費用を削減しようという動きもあり、丸太生産の現場からの改善を行っていこうとしている点で北関東の例とは異なる。逆に原木市場では製材工場に直送されることで、市場の存在が危うくなるという危惧も出てくる。

やるせない中小製材の淘汰
 国産材の需要拡大を目指して大型化、流通の合理化はCO2対策としての国産材活用や大口需要家向けの安定供給という面では必要な施策と言えるだろう。しかし、国産材を使った地域ネットワークなど小規模需要者にとっては規格化された人工乾燥材を安価に調達するより、家1棟分の木材を注文挽きで製材して天然乾燥や葉枯らし乾燥など時間をかけて木の色艶や香りなどを重視した注文に対応してくれる中小の製材工場も必要なはず。新生産システムが中小製材工場の淘汰につながるようでは、真の国産材の価値を高めていこうという動きまで消し去るような事態にならないような配慮も必要なのではないか。
 自由競争の中で淘汰されるのは致し方ないが自分たちが払った税金を補助金として受けた大型製材工場に淘汰されるのではあまりにやるせない。国産材需要の拡大だけを見ていてよいのだろうかと感じる。

日刊木材新聞社
[PR]
by ju-takukoubou | 2009-04-09 10:40 | 辣腕記者のヒント
<< 辣腕記者のヒント④ 辣腕記者のヒント② >>