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マイホーム履歴書
業界コトバの散歩⑯
マイホーム履歴書
岩下 繁昭

イギリス版住宅履歴書
 英国では2007年12月14日以降、すべての住宅(中古住宅)の販売において、Home Information Packを付けることが義務付けられた。これは住宅の履歴書といったもので、ちょうどわが国で検討されている超長期住宅での住宅履歴書づくりでも大いに参考になるはずだ。
 年間、英国の住宅市場で流通している住宅は約160万戸程で、その90%は中古住宅となっている。日本ではまったくその逆で、90%が新築住宅となっている。英国でも新築住宅については、HQI(Housing Quality Indicator=住宅品質表示)で10項目からなる性能表示がなされている。そこで今回、その9倍もある中古住宅の品質表示の基準が政府により出されたわけである。
 Home Information Packは、省エネ性能報告書類、不動産権利書関係書類からなるが、日本ならばこれに耐震診断報告書も必要となってくるだろう。さらにオプションとしてホームインスペクターによるHome Condition Reportの添付が推奨されている。

構造化した辞書のように
 このHome Condition Report作成の技術基準が英国地域社会地方政府省によって、提供されている。Home Condition Reportは、いつでもどこでも誰でもが読め、かつ活用できなければならないので、XMLの書式で記述される。
 XMLとは、拡張可能なマーク付け言語(eXtensible Markup Language)のことで、インターネットのWebの記述に使われているHTMLと同様にタグを持ちいた記述言語である。HTMLでは固定のタグしか利用できないが、独自のタグを利用できる。そのため、論理的なタグを付けることができるため、ドキュメントがわかりやすくなる。
 Home Condition Reportは、総合情報(section A)、概要(section B)、登記・衛生・安全情報(section C)、外部状況(section D)、内部状況(section E)、設備状況(section F)、敷地状況(section G)、エネルギー性能(section H)の8セクションから構成されている。
 XMLで記述するために、構造化された辞書が用意されている。たとえば外部状況の1項目である雨樋の状況の場合、部分の名称として、軒樋、立樋、突出口、ジョイント部などが、またその不具合の状況として、漏れている、外れている、不完全である、欠損している、錆びている、ひびがある、破損している、曲がっている、汚れがある、傷があるなどの語句が用意されている。

ホームインスペクターのツールとして
 現在英国には、6,000人程のホームインスペクターがいて、こうした辞書を用いて、年間160~180万件の住宅の健康診断を行っていく予定である。診断結果であるHome Condition Reportは、Home Condition Report Register Holderに登録される。 中古住宅の売買の際には、住宅ローン業者や購入者がこの登録センターからHome Condition Reportを入手して、担保としての価値のチェックや、リフォーム工事計画を立てるのに役立たせることができる。
 なおホームインスペクターの資格であるが、英国の場合他の資格と同様に資格試験によるものではない。大学や専門学校のカリキュラムがその資格を与える内容のものか認証されていて、その授業を受け単位を取得すれば資格が与えられるようになっている。
 カリキュラムの認証はNVQ(National Vocational Qualification=英国職業能力認定)として行われる。資格試験に合格すればといった日本の試験偏重主義は、国際的な資格としては認められにくいものとなっている。またこうしたさまざまな資格が大学の単位を取ることにより得られるので、大学に通う学生のかなりがpert time student=科目履修生となっている。
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 15:08 | 業界コトバの散歩 
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