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脇が甘い
業界コトバの散歩⑭
脇が甘い
岩下 繁昭

500種類の料理で火加減研究
 1970年代後半に、自動ガス調理器の開発を、女子栄養大学と一緒に行った。500種類程の料理を作ってもらい、その際のガスレンジの火加減をデジタル温度計で測定した。ここでわかったのは、多くの料理は水の沸点を利用しており、多少の時間の違いは、それほど問題ないということであった。人類の何万年という歴史で、燃焼温度を厳密に管理しないと失敗するようなものは、家庭料理から自然淘汰されてきたということである。
 この時、大いに参考になったのが日本放送出版協会から出ていた河野友美・著『味のしくみ』という本である。もう35年以上も前の本で絶版になっているが、おそらく日本で初めて調理を科学的に解説したものである。

道具を使うコツは脇を締めること
 2001年からの4年間ものつくり大学で、インターネットを使った技能教育、WBT(Web Based Training system)の開発に携わったが、最終的な目標は『味のしくみ』に習って『技のしくみ』という本を書くことであった。しかし、大工技能にしても石工技能にしても、手工具を正しく使うコツは、「脇を締める」といった単純なことであることがわかった。「脇が甘い」と手が勝手な動きをしてしまう。脇を締めることによって、手、腕は体と一体となり、機械の一部のように正確な動きが可能となる。

脇が甘いの脇とは
 恥ずかしい話であるがその歳まで、「脇が甘い」の脇とは、そばとか周辺といった意味で、脇が甘いとは、身の回りを固めるのが甘く隙があることであると思っていた。「脇が甘い」とは、「相撲で、腕で脇を締め付ける力が弱いために、相手にまわしを取られやすい。また、守りが弱い」ことだと辞書を見て知った。脇を締めるというのは、肘を体につけて動かないようにするという動作で、解剖学的には大胸筋などを使って上腕を内に絞ることだという。
 とはいっても、これをあまり意識しすぎると、今度は脇から上腕部にかけて力が入りすぎて、スムースな動きができない。試しに脇を強く締めようと上腕部まで思いきり力を入れると、指先まで固定された感じになってしまう。

脇の甘さが大事につながる
 特に脇が甘いか、そうでないかで、結果が大きく違ってくるのは、鉋、鋸などを使う時である。残念ながら最近では鉋や鋸を使う機会はないが、このところ料理を作ることが多く、その際に包丁を使う時は、脇を締めて正しい姿勢で調理するようにして、脇が甘いという言葉を思い出している。
 また、電動工具を使う時は、脇の甘さは怪我などの事故に直結する。脇が甘いと手が勝手に動き、結果として人間の腕力以上に力のある電動工具が、勝手に動くことになるからである。危ないものに触れる時は、脇を締める。脇の甘さは大事につながる。これは我々のすべてのふるまいにも共通しているようである。
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 15:01 | 業界コトバの散歩 
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