地域マスター工務店登録運動 Webコラム

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地産地消とGマーク
業界コトバの散歩⑪
地産地消とGマーク
岩下 繁昭

「地域材」と「地域財」の違い
 マスター工務店に登録されている埼玉の小林建設が、地域の工務店として初めての、グッドデザイン賞を受賞した。受賞した「杉の家」でデザイナーが考えた課題は3つに集約されており、この課題への取り組みが、審査員に高く評価されたのである。
 その課題とは、「①地域の財で地域に生きる住まいをつくる」、「②木の持つ美しさを最大限に引き立てるデザイン」、「③地元の匠とともにずっと家守りができる住まい」、であった。
 住まいづくりでの「地産地消」が叫ばれているが、地域産材を使うことが住まいづくりの地産地消」ではない。小林建設の小林伸吾さんが「地域の財で地域に生きる住まいをつくる」と、材ではなく財という表現をしたのは、まさにその違いを突いている。
 小林伸吾さんのいう財には、地域産材だけでなく、地元の匠など地域の生産組織も含んでいる。地域の材を使えばと言ってもあまり説得力がないが、地産地消によって森林だけでなく住まいづくりの生産組織が活かされるのなら、地域に住み続けなければならない住まい手の理解と共鳴は受けやすい。
 さらに小林伸吾さんの「地元の匠とともにずっと家守りができる住まい」が住まいづくりでの「地産地消」の意味をより明快なものにしてくれる。

我が家は「自産自消」
 住まいづくりを含め、最近の「地産地消」は、ちょっと神がかっているところがある。その極にあるのが、「身土不二」で「地元の食品や自然の旬の時期の食品のみが健康に良い」というものである。「身土不二」は仏教用語で、「身」は今までの行為の結果で、「土」は身がよりどころにしている環境で、両者は切り離せない関係にあるという意味だそうだ。
 しかし「身」=今までの行為の結果と言っても、僕のように長野県に生まれ約20年間長野で育ち、その後の40年間は東京で働き、老後のこれからは埼玉県で過ごすといった者にとって、「土」=身がよりどころにしている環境といっても、あまりリアリティーがない。
 むしろ「地産地消」の反対にある「遠産遠消」の問題ならば、理解しやすい。今年もわが農園で落花生を収穫したが、安いピーナツはすべて中国産である。落花生は病害虫に強いので中国でも僕のように完全無農薬で栽培しているものと思われるが、ピーナツになるまでのその後の処理に不安は残る。これに対してわが家のピーナツは「自産自消」でこれ以上に安心なものはない。
 「地産地消」のいいのは、見えるところで知っている人が作っているということである。そして「地産地消」によってこそ見えるところで知っている人が作るといった住まいづくりの仕組みを守り続けることができるということなのである。

我が家は「遠産遠消」だった
 僕の終の棲家は、地元の超優良経営工務店によるものであるが、残念ながら材木は水も滴る外材、部材部品は松下電工とトステム、「遠産遠消」のモデルハウスである。わが家を建てて潤ったのは、そのマスター工務店とはるか彼方のメーカーだけである。
 地域の住まいづくり生産環境の維持に貢献できなかった罰として、僕の終の棲家は、小林伸吾さんの言う「地元の匠とともにずっと家守りができる住まい」は期待できそうにもない。なにしろ文句言っても来てくれるのは、何もわからない工務店の営業担当者と、メーカーの営業スタッフである。肩書きはりっぱであるが、その場しのぎの答えしか返ってこない。
 もう20年以上前であるが、会社が東急東横線の学芸大学にあった頃、購入したパソコンのプリンターの調子が悪い。そこでメーカーであるNECに電話したところ、ありきたりに応答しかしてくれない。そこでどこで作ったか誰が作ったかNECに聞いたところ、偶然にも学芸大学から同じ沿線の武蔵小杉にある工場だという。
 そこで武蔵小杉のNECの工場に電話すると、たまたまパートの人がプリンターのヘッドが左右に動く軸に油を塗るのを忘れた週があるという。きっとその週の製品ではないかという。急がないならば、今日会社の帰りに寄るが、お急ぎならばシェルのミシン油をヘッドの移動シャフトに塗ってくださいとのこと。
 特に急がなかったが、この対応に感激し、ミシン油を買いに行きシャフトに塗ったところ、プリンターは快調に仕事を始めた。「地産地消」の良さを忘れないために、20数年経った今も、このシェルのミシン油は記念に残しているが、終の棲家づくりには活かされなかった。
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 14:50 | 業界コトバの散歩 
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