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200年住宅って何?
業界コトバの散歩⑩
200年住宅って何?
岩下 繁昭

首相就任で追い風も
 福田首相の記者会見の席上で、「200年住宅」という言葉が出てきて、びっくりした人も少なくないだろう。実は福田康夫氏は、自由民主党の住宅土地調査会の会長として、この「200年住宅ビジョン」を提言してきており、首相就任で「200年住宅ビジョン」の実現、普及に追い風が吹こうとしている。
 「200年住宅ビジョン」は、少子高齢化の進展による福祉負担の増大、地球温暖化や環境対策からのCO2削減と産業廃棄物削減のため、フロー消費型社会からストック型社会への転換が急務となり、ストック重視の住宅政策への転換が求められ、戦後一貫して進められてきた量の追求といった住宅政策を支えてきた「住宅建設計画法」に代わって平成18年には「住生活基本法」が制定されている。
 また地価の右肩上がりの上昇といった土地神話の崩壊により、資産としての住宅が土地に頼っていただけでは、資産価値が形成できなくなってしまったことも、「200年住宅」を進める大きな要因になっている。住宅のロングライフ化を進めることによって、土地+住宅で担保価値を高めようというもので、平成20年度には住宅ローンのフラット35の償還期限の上限を35年から50年に延長することも検討されている。

脱消費財としての住宅へ
 十数年前にセンチュリーハウジング・プロジェクトという100年住宅が推進されたが、今度はその倍の200年住宅。なぜ100年ではなく200年なのか、耐久性の確保といった技術的な面からは、100年も200年もそう変わりがない。
 しかし100年だとその住宅を引き継ぐのは孫の世代で、個人の資産としてまだまだ現実的なものがある。しかし200年住宅となると、最後に引き継がれるのが150年先だとすると、来孫(らいそん)というらしいが、孫の曾孫の世代である。ここまでくると個人の資産といっても想像の域を超え、むしろ社会的資産ということになってくる。住宅を個人資産から社会的資産へが、200年住宅のねらいでもある。戦後の持ち家政策が、結果的に住宅を消費財にしてしまった反省でもある。
 「200年住宅」の具体的なイメージであるが、構造躯体の耐久性、耐震性の向上、内装などインフィルの可変性の確保、省エネルギー、バリアフリーなど次世代でも有用な質の確保、住宅履歴書の整備と計画的な維持管理、まち並みとの調和などが挙げられている。
 今建てられている住宅も、長持ちさせようと思えば、100年以上はもつはずだ。住宅の寿命を短くさせているのは、新しい住宅に建て替えようといった住まい手のライフスタイルと、地震や風水害など天災や空襲など戦禍による被害である。

ハードより技術サービス者の生存環境に左右される
 「家を持つこと」=「気に入った中古住宅を購入し改装する」が、当たり前になっているイギリスでも、住宅の平均寿命は76年程である。200年住宅となると、この先200年間、予想を超えた大地震や、世界大戦が起こらない限り、新たに住宅は建てられず、あるものを修理しながら使い続けるといった覚悟が必要となる。
 住宅の寿命は、建物そのものというよりは、住まい方や維持管理の仕方が大きく左右してくるので、「200年住宅ビジョン」は、「200年持つ住宅」を新たに作るというよりは、現在建っている住宅の中で比較的質が良いものを、今後100年以上は持たせる技術及びサービスの構築と考えた方が、より現実的であると言える。
 我々の健康の維持と病気の早期発見がそうであるように、人間ドッグでの検査だけでなく、自分自身による日々のチェックが住まいを長持ちさせるためには必要である。ちょっと気になることを発見したら、身近な工務店に相談できる、そんな頼りになる工務店を持つことが、「200年住宅」への第一歩なのだ。果たしてそうした工務店が、今後もずっと生き残ってくれるかが心配である。
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 14:48 | 業界コトバの散歩 
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