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業界コトバの散歩⑦
監理と管理 岩下 繁昭 監理と管理 監理と管理、読み方はどちらも「カンリ」であるが、その意味するところは大きく違っている。そこで業界では、監理を「サラカン」、管理を「タケカン」と呼び、文字ではなく音でも聞き分けられるようにしている。 工事監理は、①設計図書通りにつくられているかどうか、確認・検査をする、②設計内容で不明確な部分、不備や不足な部分を調整、修正することである。 一方、工事管理は、時間(T)、品質(Q)、コスト(C)に関して計画し、確実に実行できるよう管理することである。①時間に関しては、工程表の作成、手配や連絡など段取り、遅延した場合の対策などが行われる。②品質に関しては、必要に応じて施工図の作成、搬入資材の養生指示、施工方法の具体的な指示、施工チェック、施工部分の養生指示などである。③コストに関しては、実行予算を組み、専門工事業者と費用の調整、工事費支払のための出来高査定、工事決算書の作成などがある。 さらに工事関係車両の駐車や工事騒音など近隣トラブルへの対応、現場の安全衛生管理、工事現場への不審者の進入防止など防犯管理も工事管理者の業務となっている。 戸建て木造住宅の現場では、工事管理(タケカン)は「現場監督」が行い、顧客満足度を高め、工事利益の確保につながるため重視されてきたが、工事監理(サラカン)に関してはほとんど行われてきていない。 耐震偽装事件以降、工事監理者の役割が重視される しかし建築士法では、建築物の安全性などの質の確保を図るために、原則として建築士が設計・工事監理を行わなければならないこととなっており、建築確認申請の際にも工事監理者を定め、届け出るようになっている。この原則に該当するものとして、戸建て木造住宅では延べ床面積100平米を超えるものとなっており、1級、2級、木造建築士のいずれかが行わなければならないとされている。 また、耐震強度偽装事件の後に行われた一連の法改正や運用の適正化により、建築物の安全性等を確保するために工事監理の確実な実施が求められるようになってきた。中間検査や完了検査の申請の際には申請書の中に工事監理の状況の報告を、工事監理者が記載しなければならないこととなっている。 工事管理を行う現場監督が、建築士の資格を持っていれば、工事監理者にすることはできるが、法律の趣旨からすると工事監理者は、施主から委任を受けた施主の代理人として、施主と施工者の間で中立的な立場で業務を行う必要がある。 工務店の現場担当者は工事監理者としての役割を 工事管理の中で、時間(T)とコスト(C)の管理に関しては、携帯電話や携帯メールが普及した今、そう頻繁に現場に行かなくても、業務を遂行することができる。残りの一つである品質(Q)に関しての管理は、工事監理業務と重なっている。したがって工務店の現場担当者は、これからは工事管理者ではなく工事監理者としての役割を大いに果たすべきであると言える。 こうしたこともあって、今年から現場担当者や基幹専門工である大工のほとんどに、木造建築士を受験させようとしている工務店もある。工事管理ならば特に資格の必要がないし、建築施工管理技士の資格があれば十分であるが、工事監理となると建築士の資格が必要である。 しかも一級建築士、二級建築士の資格を持っていても、木造に関しての知識が十分であるとは限らない。木造住宅の設計、工事監理に関しては、木造建築士の方が頼りになる。そのため社員に一斉に木造建築士の受験をさせる、先の工務店では、すでに一級建築士を取得している者にも、木造建築士を受験するようにと言っているという。
by ju-takukoubou
| 2009-04-08 14:36
| 業界コトバの散歩
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