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見積書の読み方
業界コトバの散歩⑥
見積書の読み方
岩下 繁昭

見積りは予算配分を目的に
 「見積り」というのをあらためて辞書で引いてみたら、「前もって算出すること」とある。また英語の見積りであるEstimateには、予算とか概算といった意味もある。こうした本来の見積りの意味からすると、何社かの住宅建設業者に見積書を出させ、高い安いと比較するのは、その目的から外れてくる。
 まったく同じ物を作るならば、別に内訳を見なくても、予定工事価格を比較して安い方に頼めばよい。しかし住宅の見積書が前提としている物は、必ずしも同じ物とは限らない。そこで内訳を比較することになるが、これとて同じ物ではないので、比較したところであまり意味がない。
 結局のところ、出された予定工事価格が支払い可能な予算とあまり違っていないか、また予算の使い方が、求める価値に見合ったものであるかが、判断の根拠になってくる。防衛費にお金をかけるか、福祉にお金をかけるかといった予算配分である。
 したがって理想的な家づくりは、評判・経験(experience)、熱意(eagerness)、実現能力(execution)の3Eから住宅業者を決め、世の中の相場や収入などから、トータルな予算はこのぐらいにしましょう、次に一緒にその予算配分を考えましょうということになる。

見積書の比較は難しい
 見積りなしで信頼できる住宅業者が見つからない場合には、見積書をもとにどこに頼むか決めることになる。しかしこれがまた大変で、見積書はそう簡単に比較できないようになっている。
 まず費用といっても、本体工事費、付帯工事費、別途工事費などがあり、外部配管工事など敷地の条件によって変わる付帯工事費や、オプションとして選択される別途工事費は、前もって見積もれないので通常カタログなどには表示されない。見積書の合計金額に、どこまで入っているか、仕分けながら比較しないと、結果的に高いものを選ぶことになりかねない。
 また多くの人が見積書の比較の際に、高い安いかをチェックする項目に諸経費や一般経費がある。しかしこれは全く比較しても意味のないもので、住宅購入者に受け入れられるよう業界ぐるみでメーキャップした金額であると考えた方がよい。
 見積書を比較した場合、10%以上だと高いと言われるので、ほとんどがそれ以下の8%とか8.5%といったものになっている。経費には当然利益も入っているので、工事の実行予算では、20%とか25%といった数字になってくる。
 大手住宅メーカーとなるとテレビCMなど広告宣伝費や住宅展示場の経費などだけで、10%以上は必要で、工務店と同じように諸経費などと実行予算を組むと、30%以上になってくる。8%とか8.5%を超える費用は、各工事費に振り分けているのである。

坪単価に惑わされるな
 またカタログなどに坪いくらなどと、坪単価が表示される場合、建築基準法上の延べ床面積ではなく、玄関ポーチやベランダなども部分的に算入された施工面積となっている。したがって35坪の住宅だからといって坪単価を35倍しても本体工事費にはならない。
 しかしその一方で、坪単価で商売している住宅業者は、坪当たり、即ち面積当たりの単価を安くする工夫をしている。当然総2階が坪単価は安くなる。そのため下屋比率30%以上となると、差額を取るところもある。本体工事費を坪単価で決めている住宅業者から、坪単価が最も高くなるであろう限界の住宅を注文することに挑戦している人もいる。
 また坪単価はあくまでも本体価格で、付帯工事費、別途工事費が別個にかかってくる。そのため坪単価258,000円で業者を決めても、契約の段階では坪単価39万円程度になってくる。
 カタログなどに表示された坪単価では、実際の住宅は施工できないが、公正取引委員会からの排除命令は出ていない。平成18年にリフォーム業者のD社は、坪単価21万円とは別途に諸経費(7~8%)がかかるとして、注意処分を受けている。
 「注文住宅着工日本一」で公正取引委員会の排除命令を受けても、坪単価表示での排除命令を受けないのは、坪258,000円で住宅ができると思っている人がいないということなのだろうか。
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 14:33 | 業界コトバの散歩 
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