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偽装
業界コトバの散歩④
偽装
岩下 繁昭

海外メディアの「耐震偽装」報道では
 一昨年発生した耐震偽装事件、「いつ起こるかわからない不確実な災害の安全よりは、目先の利益を追求する」といった業界の構造的な事件ではないかと考えられたが、結局は個人的な要因による極めて特殊な事件として処理されてしまった。
 ところが今年になってまたも「耐震偽装」が発覚し、「耐震偽装」が業界の構造的な要因から起こっているのではないかといった疑いが持たれても、しかたがない状況になってきている。
 偽装という言葉、普段われわれは辞書にもあるように「他人の目をごまかすための装いや行動」といった意味で使っており、10年前ならば「耐震偽装」といってもぴんとこなかったはずだ。
 そのためか日本の耐震偽装、海外のメディアでは、"falsified quake-resistance data"といった表現で報道されている。直訳すると「耐震データの偽造」となり、これならば誰にでも理解できる。
 消費者を裏切る「○○偽装」が、日常用語として定着したのは、2002年オーストラリア産の牛肉を国産と偽って販売した雪印「牛肉偽装」事件があってからである。2005年には、中国、北朝鮮のアサリを国内産と表示して販売したアサリ偽装表示事件も起こっている。

見た目で判断できない「偽装」
 肉類、魚介類、農産物は、見た目では産地や種類の判断が難しく、表示を頼りにするしか方法はない。それだけに偽装表示事件が次々と起こされることになる。今年の1月には、香港の大手スーパーで「タラ(codfish)」と表示・販売されていた魚の切り身を食べて14人が下痢を起こすといった事件があった。原因は消化できないワックスエステルを含んだ「バラムツ(oilfish)」を「タラ」と偽装表示したことだという。この事件で悪いのは輸入業者で、輸入元のインドネシアの漁業管理当局に、codfish(oilfish)といった輸出証明書を書くよう依頼したのだという。
 日本ではoilfishは輸入禁止魚になっているが、切り身を冷凍とした、「偽装タラ」は見た目にはタラで、スーパーの担当者も気がつかなかったに違いない。日本でも10年程前までは、アルゼンチン沿岸産の「メルルーサ」を「ギンダラ」と表示してスーパーで売っていた。メルルーサの場合、タラ科に属し安全に食べられるということもあって、偽装事件として今ほどには騒がれなかった。
 住宅も耐震性も含め、見た目では判断できないものが少なくない。消費者側からすると、「耐震偽装」だけでなく、住宅でもさまざまな偽装が行われているのではないかと疑いたくもなってしまう。
 肉類、魚介類の産地偽装と同様、桧、杉といった材木も有名ブランドの産地の木材市場に運び、ブランド材として加工されるといった産地偽装の話は、聞いたことがある。さらに住宅建築業者の中には、乾燥材を使うと言って実際には乾燥度の低いグリーン材を使い、居住後何年かで、引き戸などの建て付けの悪さが目立ち始め、建物が歪んできたことがわかるといった、「乾燥材偽装」を行っているところもある。

「効用偽装」
 また「耐震偽装」に引き続き発覚した『発掘あるある大辞典』の納豆ダイエットのデータ捏造も視聴者を裏切る事件であるが、これも海外のメディアでは、"falsified data in a natto diet program"で、「耐震偽装」と同じ表現が用いられる。『発掘あるある大辞典』も納豆のダイエット「効用偽装」と言うこともできる。
 食品だけでなく住宅でも、環境にやさしく健康なものが求められており、「○○パワーの健康住宅」、「頭のよい子が○○○」など、『発掘あるある大辞典』に登場しそうなキャッチコピーで住宅の販売プロモーションが行われている。こうした住宅が納豆ダイエットと同様、「効用偽装」であるかどうかはわからないが、こうした住宅の多くは、データ捏造以前に、納得できるだけのデータが提供されていないといった問題がある。
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by ju-takukoubou | 2009-04-08 14:29 | 業界コトバの散歩 
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