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地域マスター工務店登録運動 Webコラム

いい工務店との家づくり① 創建舎 中里一雄 
私の目指す工務店
創建舎 中里一雄

1.工務店の社会的認知度の現状は・・・
 工務店・建築家・ハウスメーカー・資材メーカー・リフォーム店・会計士・ファイナンシャルプランナー・不動産屋など、住宅を中心としたいろいろな業種のコミュニティーサイトで、この半年で1231/日平均の訪問者を誇るあるポータルサイトに訪れる人の70%が「ハウスメーカー」の検索カテゴリーから来るそうだ。工務店で検索してくるのは10%程度だけ。
 リクルートの昨年のアンケート調査でも「依頼先の候補」で50%強がハウスメーカー、工務店は19%だけ。しかも回答者の56%が30代。

家を建てる時に工務店に頼もうかと考える人がすごく少ないということである。
 大工さんは知っていても工務店という言葉は知らない、知っていても何をするのかも知らない人たちが多いということである。
 工務店が家をつくるところだと知っている人たちも怖い、何をされるかわからない、不安などなど・・・。
 工務店からの情報発信が不足しているということである。
 工務店という呼び方が馴染まれていないし、受け入れられていないかもしれない。
もっとも一口に工務店と言っても大工一人から竹中工務店までいろいろな形態があるので、一般の人たちには分類できず余計わからないだろう。

2.一般的に工務店(設計施工)で家をつくるシステムの不備を考えると
①洗練されたデザインが出来ない。提案力がない。
②施工の都合による設計となっていて、監理に中立性がない。
③専門業者、仕入先が固定化されていてコスト高を招いている。
④オープン化できていない→悪徳業者に荒らされているに任せている。
⑤保証制度が不備で安心感が持てない。 
・・・などなど改善点は多い。

3.では、住まい手にとって大手メーカーより工務店で家を造るメリットはあるか?
①住む人の都合優先で一品生産(お仕着せの大量生産品ではない)
 の家ができる。
②総予算の工事にかける費用が大きい(無駄な経費、宣伝費が少ない)。
③契約の受注者と施工者が一緒。直接施工で責任がはっきりしている。
④地域密着型でアフターメンテに機動力がある(大手は意外とない)。
⑤無垢の木、自然素材などは工務店でないと技術・手間隙がかかるので
 扱いが難しい。
・・・などが挙げられると思う。

4.また、住まい手にとって設計事務所より工務店設計施工で家をつくるメリットはあるか?
①コストを大きく外さない。
②施主の時間スケジュールが狂いにくい
 (設計期間がかかりすぎて予定より1年も遅れたなんて平気でありますからね)。
③家を作品化しないで、施主のこだわりを具体化できる。
④ 材料や工法の情報が伝達され易い。 
・・・などであろうか。

5.ここで、工務店の役割を簡単に表現すると 
地域に密着して品質の良い家をつく造り、建てた後も家守りをして、健全な経営をし、技術や職人の永続性 に注力し存続し続けることである。

6.そこで、住まい手にとって良い工務店とはどういうものか考えると
①住む人のこだわりに応えようと努力する(こだわりは施主側のもの)。
②保証制度、アフターメンテナンスが整っている。
③オープンで、社長・スタッフの顔や現場が見える。
④常に勉強している(技術、デザイン、工法、材料、法規など)。
⑤常に品質を下げずにコストダウンを意識している(施主の財布も大切)。
⑥大工を育てていて、技術や職人の永続性に注力している。
⑦大手の下請け、ディベロッパーの建売はやらない
 (同じ社内でいかに手を省くかという家を造って、片やいい家を造ることは
 不可能だろう)。
・・・ということが重要だと思っている。

7.次に、従来の工務店の再構築を考えると
(工事技量が良いことはあたりまえとして)どういうところが要になってくるか
①工務店の職能をはっきり意識し、工務店としての誇りを持つ。
②市場側主義で考える。→ユーザーが客観的に比較できるように
 メリットデメリットを出す。
③アカウンタビリティー(説明責任)の強化→成分表の開示など。
④設計力、デザイン力の強化→社内設計と施工の職能分離化。値のわかる設計。
⑤人情的経営からの脱皮→業者会、職人の手間の見直し。材工分離。
⑥現場監督・大工の社会的地位の高揚→職能への誇り。報われた報酬。
⑥ネーミング(会社名・工務店・現場監督)の再検討
・・・のように変えていく必要があると思う。

8.以上を基に弊社・創建舎の取り組み項目をあげると
①建築美の感覚を持ち、デザイン・設計力を高める。
 また、技術者として理科の勉強をし、住宅の性能を定量的に説明できるよう
 にもする(工法・自然素材頼みはダメ)。
②棟数を追わない。
③実行予算書の遵守と事前発注の励行。
④社員満足度を上げる。→甘やかさず(スタッフを選ぶ必要あり)
⑤現場見学会・イベントの継続。毎月の情報誌発行。
⑥会社、現場、スタッフを見せる。→全員でブログ。毎週の現場写真をアップ。
⑦下請け、役所の仕事はやらない→エンドユーザーの仕事のみ 
⑧設計事務所の相見積もりは参加しない(理由を明確に出す→添付資料参照)。
⑨プロデュース会社(工務店を使い捨てにする)、フランチャイズには入らない。
⑩商品は持たない→材料・商社への肩入れはしない。(推奨仕様は持つ)
⑪業者会は安全衛生の目的のみ→1職種2社以上、業者との飲食厳禁、
 虚礼廃止。
⑫社員大工をできる限り増やして行き、教育カリキュラムを作る
 (大工の手間賃を上げる)。
⑬常にコストダウンは必要(利は元にあり)だが、ローコストに未来はない。
⑭家守りとリフォームへの取り組み強化。
⑮全棟完成保証、瑕疵保証、地盤保証とする。
⑯会社の永続性を図る。後継者育成(M&Aも有り得る)
・・・などをまじめに取り組んでいる。

9.ちなみに、創建舎の家づくりの理念は
①長持ちする家(性能、デザインとも)
②居心地の良い家(性能、デザインとも)
③省エネの家
④人間と地球に優しい家  ・・・をつくるということ。
  設計も材料、工法などはこの観点から考え、取捨選択していく。

10. 創建舎の経営理念は
「誠意と努力に裏打ちされた技術による、その時最高の家づくり」
・・・で、そういう姿勢を表わしている。

11.私の目指す工務店を端的に表現すると
  いい家をつくっているということは大前提で、インターネットでも現場でもなるべく人間と仕事をさらけ出す。その上で商品を持ったり、妄信した工法や材料をアピールして宣伝することはなく、監督と大工を中心とした優れたスタッフを育てていれば住まい手の方から訪れてくださるような工務店である。

〈建築設計事務所の相見積もりをお断りする理由〉(添付資料)

1.建築家の方々は基本的に見積もりの精査が出来ないことが多く、結果値段だけで一番安い見積もりを採用することがほとんどだからです。

2.他の工務店が何らかの理由で大幅に値引きしてきたものや、採算度外視した見積もりを採用するケースが多いからです。(良い大工、監督を育てられません)

3.コンペなどにより、お施主様のご希望予算を無視した設計が多く、お施主様や私どものモチベーションの下がる引き算から始めなければならないことが多いからです。

4.ただの当て馬に利用されただけで、見積提出後も何の連絡もいただけないケースが多くあったからです。

5.見積もりには 大変な人件費がかかり、多くの落札できない見積もりの人件費が他のお施主様に転嫁してしまうからです。

6.設計に期間を多く費やしてしまい、見積もりから着工までの期間が短すぎて無理が生じることが多く、またお施主様と初めてお会いしたのが契約当日ということがありましたが、これで良い仕事ができるとは思えないからです。

7.顔が見える関係の中で設計・積算を進めて行き、お互い知恵を出し合いながら良い設計と価格を合わせた方が納得がいき、良いものができると思うからです。

 できる限り事前にお会いして、建築家の方のこだわりや作風等を私どもが知り、また弊社の施工中の現場を見ていただき、施工に対する考え方を知っていただいた上で見積りを進めさせていただくということが良いと思っております。

(株)創建舎 HP
by ju-takukoubou | 2009-04-07 18:05 | いい工務店との家づくり 
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